徳島県・四国電力、EV普及へ共同宣言/防災ネットワークを構築
徳島県と四国電力が、EV普及や蓄電池産業集積を目指す「徳島バッテリーバレイ構想」の推進に向けて共同宣言を行い、防災ネットワークを構築する方針を発表した。
専門家の視点
徳島県と四国電力が打ち出した「徳島バッテリーバレイ構想」は、防災と脱炭素を一体的に進める意欲的な枠組みですが、現時点では物語と期待が先行し、実体が追いついていない構造です。EVを防災ネットワークの基盤と位置づける発想は理にかなっていますが、普及には充電インフラの整備、車両価格の低減、災害時の運用ルール確立といった複数の実体レイヤーが同時に必要です。特に、蓄電池産業の集積という目標は、国内外の競争激化や資源調達リスクを考慮すると、実現への道筋が具体化されているとは言えません。また、実行主体が自治体と電力会社に限定されており、自動車メーカーや地元企業、住民の具体的な行動変容をどう引き出すかという実行レイヤーが欠落しています。時間軸で見ると、防災効果は短期的に発揮され得る一方、産業集積は中長期的な成果を待つ必要があり、この二つの時間差をどう埋めるかが本質的な論点です。ここで隠れた前提を問い直すなら、EVが「地域に普及している」状態をスタート地点としていない点です。EV普及が遅れている現実を直視せずに防災ネットワークを語るのは、制度設計の非対称性を生みます。