再エネ・技術

出力1100kWの「潮流発電機」を実海域で実証 九電みらいと四国電力

2026-06-15
九電みらいエナジーと四国電力が、出力1100kWの海底固定型潮流発電機を長崎県五島市沖で3年間実証する事業が環境省に採択された。

専門家の視点

環境省の補助事業として、九電みらいエナジーと四国電力が長崎県五島市沖で実施する出力1100kWの海底固定型潮流発電機の3年間実証事業は、実体として着実な一歩です。潮流発電は出力が予測しやすく、出力変動が風力や太陽光より小さいという物理的優位性があります。しかし、実証海域の確保や海底ケーブル敷設などの制度的手続き、さらに維持管理を担う人材の育成という実行レイヤーが、技術導入に比べて遅れる非対称性が潜んでいます。この事業は「実体が翻訳されていない」構造に近いと言えます。というのも、潮流発電の安定性や地域経済への波及効果といった実績はあるものの、市場や投資家の期待は依然として浮体式洋上風力に集中し、潮流発電は「ニッチ技術」と見なされがちだからです。特に、事業の採択から実証開始までの時間軸が2026年6月と明確ですが、その後の商業化に必要なコスト低減や系統接続の課題は、現時点で語られていません。この記事が当然としている前提は「実証が成功すれば自然に市場が拡大する」という点です。しかし、実際には発電コストの低減目標や、環境アセスメントの長期化という現実を乗り越える「物語」が不足しています。

九電みらいエナジーと四国電力は2026年6月12日、環境省が公募した「令和8年度地域共生型潮流発電事業モデル構築事業」において、両社が共同提案した「海底固定型潮流発電機の長期信頼性検証事業」が採択されたと発表した。長崎県五島市沖で、商用規模の潮流発電機を3年間にわたって実証する。 九電みらいエナジーと四国電力は2026年6月12日、環境省が公募した「令和8年度地域共生型潮流発電事業モデル構築事業」において、両社が共同提案した「海底固定型潮流発電機の長期信頼性検証事業」が採択されたと発表した。長崎県五島市沖で、商用規模の潮流発電機を3年間にわたって実証する。 潮流発電は、発電出力の予測性が高く、変動も小さい海洋エネルギーとして将来の普及が期待されている。今回の実証では、海底固定型の潮流発電機を長期間運転し、設備の信頼性、保守性および経済性に関するデータを収集・検証するのが目的だ。 実証は長崎県五島市沖で、奈留島と久賀島の間に位置する奈留瀬戸で実施する。一般に潮流発電には1m/s以上の流速が必要だが、奈留瀬戸は3m/s以上あり、国から海洋再生可能エネルギーの実証フィールドに選定されている。 奈留瀬戸の海底に出力1100kWの潮流発電機を設置し、発電した電力は地上に送電する。設置する潮流発電機は全長23メートル、重量960トンで、、潮の向きに応じて発電機の向きを変えるヨー制御機構を搭載し、上げ潮と下げ潮のどちらの潮流でも発電が可能な仕組みとなっている。 九電みらいエナジーはこれまで、環境省の「潮流発電による地域の脱炭素モデル構築事業(2022年度~2025年度)」に採択され、潮流発電機の開発および奈留瀬戸エリアにおける実証運転などの取り組みを進めてきた。今回の実証はこららの取り組みに続くもので、実証期間は2026~2028年度の3年間を予定している。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 建設をエネルギーとICTで変える「BUILT」オープン!! 【特集】改正FIT法で対応必須! 太陽光発電の運用保守 ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境

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