排出量算定

【日本】古河電工やENEOSら、SAF活用による航空貨物スコープ3削減で連携。東京都事業採択

2026-06-15
古河電工、ENEOS、住友倉庫が東京都事業でSAF活用による航空貨物のスコープ3削減に連携する。

専門家の視点

古河電工、ENEOS、住友倉庫の3社が東京都事業の枠組みで開始したSAF活用による航空貨物スコープ3削減は、実体と物語の間に明確なズレがある構造です。実体として、SAFの供給量は日本の全航空燃料需要の1%にも満たず、価格は通常の2〜4倍です。事業は連携の枠組みを示しますが、このSAFを誰がどの数量で調達し、コストをどう負担するのかという実行レイヤーが記述から欠落しています。物語としては、物流企業がカーボンフットプリント削減に取り組む姿勢を強調する一方、SAFの大規模生産やコスト低減の具体的な経路は示されていません。隠れた前提は、SAFを購入すればスコープ3削減が自動的に達成できるという考え方です。実際には、SAFのバリューチェーン全体での排出削減効果はライフサイクルで見た検証が必要であり、購入だけでは実体の削減には直結しません。この事業は期待先行型の構造です。東京都の支援メニューに応じて企業が名乗りを上げましたが、供給制約とコスト課題を乗り越える具体策が不在です。次の観測点は、この連携が実際にSAFを購入し、排出削減量を第三者認証する段階に進むかどうかです。

古河電気工業、ENEOSホールディングス傘下のENEOS、住友倉庫は5月11日、東京都が実施する「企業のScope3対応に向けた航空貨物輸送でのSAF活用促進事業」において連携し、持続可能な航空燃料(SAF)の環境価値を活用した温室効果ガス(GHG)排出削減アクションしたと発表した。 同事業は、荷主が貨物代理店を通じて行う航空貨物輸送におけるSAF利用の経費を東京都が支援するもの。今回の発表では、貨物代理店である住友倉庫と、荷主である古河電工がSAFの環境価値売買契約を締結し、ENEOSが有するSAFの環境価値提供スキームを通じて、航空貨物輸送におけるGHG排出量を削減する。 具体的には、古河電工が住友倉庫に委託して輸送する航空貨物について、ENEOSが住友倉庫及び古河電工の双方に対して、それぞれのSAF利用相当量のGHG排出削減証明書を発行。その結果、貨物代理店独自のSAF環境価値管理プログラムを必要とせず、サプライチェーンにおける一気通貫での環境価値の利用が可能となる。 3社は、同事業を通じて、航空輸送分野における脱炭素化を推進するとともに、サプライチェーン全体でのGHG排出削減に貢献していく方針。 【参照ページ】古河電工、ENEOS、住友倉庫、SAFを活用したGHG排出削減の取組み推進について ※ 閲覧チケットは翌月への繰り越しはできません。 【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら 株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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