ヤマハ発動機グループ環境計画2050・概要 | ヤマハ発動機
専門家の視点
ヤマハ発動機の環境計画2050は、気候変動・資源循環・生物多様性の三本柱で構成されていますが、「物語先走り」の構造が読み取れます。CO2削減目標としてScope3カテゴリー11で「販売台数原単位86%以上削減」と掲げる一方、主力が内燃機関製品であるという実体との整合性が問われます。事業拠点のカーボンニュートラル達成は2035年と具体的ですが、製品段階での排出削減は「カーボンニュートラル燃料の利用」や「ライフサイクルアセスメント」という長期技術依存の表現に留まり、実行手段の具体性が不足しています。 隠れた前提は「ユーザーが代替燃料を受け入れ、インフラが整備される」という点です。現時点で水素や合成燃料の普及スケジュールは不透明であり、この前提が崩れると計画全体が絵空事になります。また、サーキュラーエコノミーや生物多様性の目標は定性的な活動列挙に終始し、数値KPIや検証の枠組みが不在です。ネイチャーポジティブの目標設定についてはTNFDの検討開始と述べるのみで、時間軸と実行レイヤーが欠落しています。
ヤマハ発動機グループ環境計画2050の概要をご紹介します。 サステナビリティ(持続可能性への取り組み)メニューへ ヤマハ発動機は、健全な地球をフィールドに豊かな自然と触れ合う多様な商品群で、世界の人々に自由な移動と豊かな生活を提供することで成長してきました。それ故に私たちの製品フィールドである海・山・川の環境保全に責任を持ち、環境に与える影響を最小限に抑えます。 「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」では、「気候変動」「資源循環」「生物多様性」を重点取り組み分野として、「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「ネイチャーポジティブ」を目指すべきゴールに設定しています。 気候変動においては、カーボンニュートラルの社会への変換が求められる中、事業拠点で使用するエネルギーの最小化を追求し再生可能エネルギーの利用拡大を加速していきます。また、180を超える国と地域に提供する当社製品群の環境効率をライフサイクルアセスメント(LCA)を考慮したサプライチェーン全体でより向上させることでレジャーや産業、暮らしの中で排出されるCO2排出量を削減し脱炭素社会の実現に貢献していきます。 資源循環においては、大量生産・大量消費・大量廃棄の経済社会活動から、限りある資源を有効に使うサーキュラーエコノミーへの変換が求められています。事業活動に伴う水使用量削減の取り組みや廃棄物の発生抑制とリサイクル対策を強化していきます。製品においてはリサイクルに配慮した開発・設計および再生材の採用や部品点数の削減、長寿命化などさまざまなアプローチで省資源化・リサイクル率向上を目指し循環経済の実現に貢献していきます。 生物多様性においては、国内外の事業拠点において自社および周辺地域の生物多様性保全の活動を実施しています。加えて、ボートやROVによる湖や海岸の清掃活動や、無人ヘリコプターによるレーザー計測活用による森林保全活動など当社製品を利用した取り組みの支援も実施しています。また、TNFD※に沿った目標設定と取り組み内容についても検討を開始し、ネイチャーポジティブ実現にむけた活動を推進していきます。 ※TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures 自然関連財務情報開示タスクフォース 製品におけるCO2排出量の削減 (Scope 3 Cat.11 2024年比86%以上削減)※販売台数原単位 ※ICE(internal combustion engine)内燃機関 ※CN(carbon neutral)燃料:水素、バイオ、合成液体燃料など 事業拠点におけるCO2排出量の削減 (Scope 1, 2 2035年カーボンニュートラル達成) 世界人口は現在の80億人から2050年には97億人へと、今後30年で約20億人の増加となる見込みです。また、アフリカ・インドなどの経済成長に伴い世界の第一次エネルギーの消費は拡大し、現在の143億トンから2050年には192億トンと1.3倍の消費が予測されています。こうした予測から2050年には、世界的な資源不足・エネルギー不足を招くことが想定されます。 一方、地球環境の観点では、温暖化の主な要因とされているCO2排出量を削減するために、第一次エネルギーの利用において化石燃料の使用から代替エネルギーへシフトするなど「脱炭素化」が世界的な潮流です。こうしたヤマハ発動機の事業を取り巻く2050年の社会を踏まえ、長期的な環境課題を特定しました。 当社取締役会は、サステナビリティーを巡る課題への取り組み方針を定め、その実施状況について定期的にレビューを行います。取締役会はサステナビリティを巡る課題に関して、社長執行役員が議長を務める取締役会が選任した執行役員で構成される「経営会議」の諮問により審議を行う「サステナビリティ委員会」(年6回開催)を監督する役割を担っています。 「サステナビリティ委員会」 委員長 任命された執行役員 委員 執行役員および本部長 サステナビリティを巡る課題に関して、特に環境分野を重要な経営課題の一つと位置づけ、「環境委員会」を設置しています。 環境委員会は年4回開催し、気候変動・資源循環・生物多様性など環境関連課題に係る方針やビジョンの審議、ヤマハ発動機グループの環境長期計画(環境計画2050)の策定、各事業部の目標に対する進捗を毎年レビューします。また、カーボンニュートラルを含むマテリアリティKPI実績およびESG外部評価を役員など経営幹部の報酬と連動することで実効性ある取り組みを推進しています。 共通社会経済経路シナリオ(SSP※)の分類 AR6では、将来の社会経済の発展の傾向を、気候変動に対する緩和策と適応策の困難性の二軸で5つのシナリオに
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