中部電力ミライズ、水素製造費を抑制へ/ヤマハ発動機と今月から実証 - 電気新聞
中部電力ミライズが水素製造費抑制に向け、ヤマハ発動機とカーボンニュートラル実証を開始した
専門家の視点
中部電力ミライズとヤマハ発動機が水素製造コスト抑制の実証を今月から始めるという発表です。実体として、両社が協定を結び、具体的な実証を開始したことは測定可能な事実です。一方、物語としては「カーボンニュートラルに向けた」という目的が掲げられていますが、水素製造コストをどの程度の水準まで下げるのか、その目標数値や実証期間、成功の基準となるKPIが記事からは見えません。ここに物語欠落の構造があります。技術や経済合理性の話であるべき水素コストの議論が、目的としての「カーボンニュートラル」に収束するあまり、実証の具体的な出口が曖昧になっています。また、水素の供給網全体ではなく、製造工程の一部に焦点が当たっており、「誰が実行するのか」のレイヤーが両社内に限定されている点も前提です。この実証が部品サプライヤーや物流事業者を含む産業横断的なコスト低減に波及するかは不透明です。次の観測点は、実証終了後に公表される単位コストの数値であり、それが現在のグレー水素価格と比較して有意に低いかどうかです。