再エネ・技術

水素燃料選べる未来へ 官民取り組み加速 - 読売新聞

2026-06-15
脱炭素燃料として注目される水素の社会実装に向け、官民の取り組みが加速している。高市政権が戦略分野に位置づけ、4日には利用促進に関する動きが報じられた。

専門家の視点

水素燃料の社会実装を巡るこの動きは、現時点では「物語先走り」の構造が中心にあります。実体として、水素の製造コストは依然として高く、グリーン水素の大規模供給に必要な再生可能エネルギーとの連携やインフラ整備の具体的な進捗は限定的です。政府の戦略分野への位置づけという強い物語が先行して、市場や企業の期待を醸成していますが、実証段階から普及段階への移行を支える経済合理性や技術的な時間軸の裏付けが不足しています。特に「誰が実行するのか」という実行レイヤーが曖昧で、水素ステーションの運営主体や需要家の事業リスクを引き受ける具体的なアサインが見えにくい点が、実体と物語の乖離を深めています。隠れた前提として、「水素が最終的な脱炭素燃料の中心となる」という方向性が疑われていないことが挙げられますが、電化やアンモニア・合成燃料など競合技術とのコスト比較や市場の優先順位の議論が不足しています。今後注目すべき観測点は、2030年までのコスト目標と供給量目標を検証可能なKPIとして開示し、それに対する民間投資の実質的なコミットメントがどれだけ積み上がるかです。

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