再エネ・技術

INPEX、水素発電の電力販売 CO2は地下貯留 - 日本経済新聞

2026-06-15
INPEXが水素発電による電力販売を開始し、製造時のCO2を地下貯留する。水素製造から発電・販売まで一貫した取り組み。

専門家の視点

INPEXが水素発電の電力販売を6月にも開始するという発表は、実体としては「CO2を回収・貯留する水素サプライチェーンの実証」という段階にあります。しかし、この記事の物語は「一貫した体制が整った」とフレーミングしており、商業ベースの電力販売が始まるかのような印象を与えます。ここには物語先走りの構造が潜んでいます。実際には、水素製造時のCO2回収・貯留(CCS)の実効性と、発電コストが競争力を持つかは不透明です。特にCCSは地中貯留の長期安定性や法的枠組みが確定しておらず、実体として技術と制度の両面でまだ検証途上です。また、記事は「誰がこの電力を購入するのか」という需要レイヤーをほとんど説明していません。供給側の物語が先行し、市場での受け入れや価格競争力という実体が翻訳されていないため、期待だけが先行しやすい構造です。この構造の中心的なズレは、水素発電が「脱炭素の切り札」として語られる一方で、その実現に必要なCCSの制度化や需要創出の具体策が欠落している点です。次の観測点は、INPEXが実際にどのような価格で誰に販売するかであり、それこそが実体の成否を分ける判断基準です。

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