日本のGX市場拡大へ新制度 補助金の要件に脱炭素製品の調達目標 - 日経ビジネス電子版
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。
専門家の視点
この新制度は、補助金の交付条件に「脱炭素製品の調達目標」を組み込むことで、企業の購買行動を強制的にGX方向へ転換させる仕組みです。実体として重要なのは、補助金という財政インセンティブを通じて需要を創出し、現時点でコスト競争力の弱い脱炭素製品に市場の足場を与えようとする点です。しかし、物語の側面では、「調達目標」が具体的にどのようなKPIで検証されるのか、未達時のペナルティや達成状況の開示義務が明示されていません。制度の枠組みは示されても、企業の実務担当者が「何を、いつまでに、どれだけ調達すればよいのか」という実行レイヤーが見えないのです。また、隠れた前提として「国内企業が調達目標を達成できる十分な供給能力を持つ」という想定がありますが、現時点で脱炭素製品の安定供給体制は十分とは言えません。この制度の成否は、供給側の量産体制と調達側のコスト負担力がどこまで同時に整うかにかかっており、物語と実体のズレを埋めるには、実行スケジュールと供給サイドの整備状況を併せて評価する必要があります。