ESG・金融

米SEC、気候関連開示規則の廃止案を公表 日米で開示政策に温度差

2026-06-12
米SECが気候関連開示規則の廃止案を公表し、日米の開示政策に温度差が生じている。大和総研がこの動きを分析している。

専門家の視点

米国SECの気候開示規則廃止案は、政権交代による政策の振れ幅を反映しており、現時点では「開示義務の一律化はコスト超過」という論理で正当化されています。しかし、バイデン政権下で採択された規則が訴訟で停止した経緯を踏まえると、この廃止は単なる政策転換ではなく、司法と行政の綱引きの一部分です。記事は日米の「温度差」とフレーミングしていますが、日本はSSBJ基準に基づく義務化を進める一方、米国はカリフォルニア州など州レベルで独自の開示制度が動いており、連邦レベルでの廃止が即座に企業実務の後退を意味する訳ではありません。主語が「米国」と曖昧なまま廃止手続きを語る点に注意が必要です。また、パブリックコメント後の最終案や民主党側の法的対立継続の可能性が示唆されているため、現状はあくまでプロセス途中です。日本企業は米国の動きに過度に反応せず、国際的な開示基準(ISSB・ESRS)と整合した自社の情報整備を継続する姿勢が求められます。GX人材にとっては、規制の変化を読み解く力と、本質的なリスク管理の実装力が一層重要です。

6月2日、大和総研は、米国証券取引委員会(SEC)が気候関連開示規則の正式な廃止に向けた提案を公表し、パブリックコメントの募集を開始したとするレポートを発表した。同規則は、上場企業に温室効果ガス(GHG)排出量や気候リスクの財務影響、気候リスクに関するガバナンス情報の開示を求めるものだった。 この規則は、バイデン政権下の2024年3月に採択された。しかし、共和党知事州や化石燃料関連産業を中心に反発が強まり、企業や州などから無効化を求める訴訟が相次いだ。SECは同年4月、規則の適用を一時停止した。 第2次トランプ政権発足後、SECは方針を大きく転換した。気候関連情報の開示を一律に義務付けることは、企業ごとに異なる重要性の判断を超えるものだとし、開示コストが利益を上回る可能性も重視するようになった。2025年3月には、同規則を裁判上擁護しない方針を明確にしている。 廃止案は、連邦官報掲載後60日間のパブリックコメントを経て、最終案が作成される見込みである。一方、民主党側は気候関連開示規則を支持しており、廃止手続きの適法性をめぐって法的対立が続く可能性がある。 日本では、有価証券報告書にサステナビリティ開示基準に準拠した記載を義務付ける方針が決定しており、GHG開示をめぐる日米の政策は分化しているようにみえる。 原文:気候関連開示規則の廃止案を公表:米国 SEC ESG Journalでは、実務に役立つポイントや実践ガイド(テンプレート)を紹介しています!欧州・米国の最新基準に対応するための実務ポイントを、具体的なアクションレベルで整理しています。🌍海外開示制度・基準への対応に関連する実務解説はこちら>>> ✅ESRS改訂の全体像✅ESRSの対応ポイント ✅セクター別の主な論点✅SSBJ基準開示での対応ポイント ✅カリフォルニア州気候開示制度の全体像✅今から企業が準備できる開示のポイント

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