鉄スクラップ循環利用拡大へ/需要産業で自ら取り組み推進/清水建設=クローズドループ実践
清水建設が建物解体で発生する鉄スクラップのクローズドループに取り組むなど、建設業界での資源循環型GXの実践事例を報じている。
専門家の視点
鉄スクラップの循環利用は、鉄鋼業全体のGX戦略において実体が着実に動いている分野です。清水建設が建設現場から発生する鉄スクラップを、需要産業である鉄鋼メーカーが再び原料として使う「クローズドループ」の実践を開始したことは、従来の「スクラップを集めて輸出・ダウンサイクルする」線形モデルからの脱却という構造的転換を意味します。しかし、ここには物語と実体の間にズレが存在します。建設業界は川上(需要家)としてスクラップの発生源を管理できる立場にありますが、クローズドループを成立させるには、解体時に鉄筋の種類や混入物質を厳密に分別する工程と、鉄鋼メーカーの受け入れ基準を満たす品質管理が必要です。この「誰が実行するのか」という実行レイヤーの具体性が記事からは見えません。現場の職人や中間処理業者の作業負荷、コスト分担の設計がなければ、物語が先行するリスクがあります。また、使用済み自動車からのスクラップは、塗装や異素材の混入が避けられず、製品グレードでの再溶解には限界があります。