和倉の温泉熱活用に追い風 環境省が脱炭素の「先行地」に 旅館に温水供給 七尾市、予算計上(北國新聞社) - Yahoo!ニュース
和倉温泉の温泉熱活用が環境省の脱炭素先行地域に選ばれ、旅館への温水供給事業に七尾市が予算を計上した。
専門家の視点
環境省が和倉温泉を脱炭素の「先行地」に選定したことは、温泉熱という地域固有の再生可能エネルギー資源を、観光地の燃料転換に結びつける具体策として評価できます。しかし中心構造は「実体は部分的だが、物語が期待を先に走らせている」状態です。七尾市が予算計上したとはいえ、旅館群への温水供給網の設計、温泉源の持続可能な採熱量の測定、事業採算性の精査という実体作業はまだ始まったばかりです。環境省の「先行地」指定は物語上のラベルであり、このラベルが地域外からの投資や観光客の環境意識を呼び込む期待を先行させています。ここで問うべきは「温泉熱は本当に地域のベースロード電源・熱源たり得るのか」という点です。源泉温度や湯量が季節変動する中で、年間安定的な熱供給を担保する仕組みが提示されていません。制度導入の速さに対して、実行レイヤーである旅館経営者の理解と投資判断が追いつくかが実質的なボトルネックです。次の観測点は「予算が誰のどの実行計画に紐づいているか」です。七尾市の予算が実証実験の枠を超えず、物語上の先行地指定で止まるなら、このズレは拡大します。