第21回パリ協定6条4項監督機関会合に参加しました | 報道発表資料 - 環境省
環境省が第21回パリ協定6条4項監督機関会合に参加し、二国間クレジット制度(JCM)などの国際的なカーボンクレジットルールについて議論したことを発表。
専門家の視点
パリ協定6条4項監督機関会合への日本参加という報道ですが、ここには制度上の実体と物語に有意なズレが存在します。実体としては、6条2項の二国間クレジット制度(JCM)で300件以上の案件を積み上げた実績があります。これは測定可能な事実であり、日本の強みです。しかし、今回の会合の主題である6条4項は、国連が監督する中央集権的な市場メカニズムであり、二国間取引であるJCMとは制度設計の前提が根本的に異なります。会合参加の物語は「積極的貢献」を強調しますが、日本の強みであるJCMのノウハウが、多国間ルールづくりにどれだけ翻訳可能なのかは、この発表からは見えません。制度の非対称性として、JCMは二国間の合意で迅速に動かせる反面、6条4項のルール交渉は200か国近い合意が必要で時間がかかるため、両者の時間軸がずれています。隠れた前提は「JCMの成功体験が、そのまま6条4項のルール設計に活かせる」という点です。両者は異なる市場設計であり、転用には慎重な構造調整が必要です。物語先走りの構造であり、次の観測点は、この会合で日本が具体的にどの制度設計条項を提案し、他国の反応を得たかという実証です。
一次ソース
- https://unfccc.int/process-and-meetings/the-paris-agreement/article-6/article-64-pacm/methodologies
- https://unfccc.int/process-and-meetings/the-paris-agreement/article-6/article-64-pacm/accreditation#AE-DOE
- https://unfccc.int/process-and-meetings/bodies/constituted-bodies/article-64-supervisory-body/meetings-of-the-supervisory-body