「働かない蓄電所」を是正 政府、補助要件に卸市場参加 - 日経GX
政府が補助要件に卸市場参加を課し、稼働していない蓄電所の是正を図る動きを報じた記事。
専門家の視点
蓄電所が補助金を受けながら「働かない」状態が生じているのは、補助金交付と市場参加が切り離されていたからです。実体として、蓄電所は建設されても収益モデルが確立せず、待機状態に置かれるケースが発生していました。今回の制度変更は、補助要件に卸市場参加を義務づけることで、この実体を解消しようとするものです。 物語としては「是正」というフレーミングが使われていますが、これはあくまで市場メカニズムへの誘導であって、蓄電所の経営リスクを事業者に転嫁する側面も持っています。期待としては、市場参加が供給力を高め電力需給を安定させるという想定が先行していますが、卸市場の価格変動や需給バランス次第では、事業者が参加したとしても収益性が確保できず、結局「働かない」状態が続く可能性もあります。 構造的な論点は、制度の導入は早いものの、蓄電所を実際に稼働させるビジネスモデルや運用人材が追いついていない点です。本質的な問いは、補助金で建設したインフラを市場原理で動かそうとするこの方策が、本当に蓄電所の稼働率向上に直結するのかという点です。