山口県、国に71項目を要望 コンビナートの脱炭素化後押しや地域医療の支援を求める - 47NEWS
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。
専門家の視点
全国の自治体が国へ提出する「政策要望」の中で、山口県がコンビナートの脱炭素化を柱の一つに据えたことは非常に重要な事実です。ここでの実体は、周南コンビナートのような大規模な石油化学・鉄鋼拠点の存続と、2050年カーボンニュートラルという国の目標の間に深刻な緊張関係があるという点です。脱炭素化の具体的な技術や巨額の投資の実行主体が示されていない限り、この要望は「コンビナートを維持するための脱炭素化支援」という物語の枠内に留まります。本質的な構造は、受け身の要望が制度の前倒しや補助金の獲得に終始し、県自身がどのような民間投資や事業構造転換を促すのかという実行レイヤーが欠落している可能性です。ここで問うべき隠れた前提は、「国が後押しすれば脱炭素化は進む」という発想です。現実には、地域の雇用と産業の両立を図りながら、競争力のあるCCUSや水素供給網を誰がいつまでに構築するのか、その時間軸が最も重要です。この記事は、期待先行でも物語欠落でもなく、「実体が翻訳されていない」構造と言えます。