再エネ・技術

マレーシア「脱炭素の州」に日本企業熱視線 CO2貯留、製造立地も - 日本経済新聞

日本経済新聞 2026-06-04
マレーシアの脱炭素州で、日本企業によるCO2貯留や製造拠点の立地が注目されている動向を報じている。

専門家の視点

マレーシアの「脱炭素の州」構想に日本企業が注目する背景には、CO2貯留(CCS)という物理的な実体と、製造拠点としての立地メリットという経済合理性があります。しかし、ここには「物語先走り」の構造が潜んでいます。CCSは技術的には確立されつつあるものの、実証段階から商業規模へのスケールアップには時間と巨額の投資が必要です。マレーシア側の法的枠組みや受け入れ態勢がどこまで整備されているかは不透明で、「脱炭素の州」というラベルだけが先行している可能性があります。日本企業が期待するのは、炭素国境調整措置を回避できる製造拠点としての優位性ですが、実際にCO2の長期的な貯留が保証されなければ、その優位性は盤石ではありません。隠れた前提は、「マレーシアが国内の産業政策と環境規制を同時に使いこなせる」という点です。開発と保全のバランスを取る行政能力が、実体として伴わなければ、投資判断はリスキーです。次の観測点は、マレーシア政府がCCSに関する実施細則と費用負担のルールをいつ具体化するかです。日本企業にとっては、期待先行で動くのではなく、実体の整備を確認するフェーズに入っています。

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