再エネ事業は「農業」になるべきだ 脱炭素と環境保全の両立の方策は - 朝日新聞
再生可能エネルギー事業と農業の両立による脱炭素と環境保全の両立方策を論じている。
専門家の視点
この記事は、再生可能エネルギー事業を農業に組み込むという「両立」の物語を提示していますが、実体として最も深刻なのは「土地の競合」という物理制約です。農地にソーラーパネルを設置する営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)は確かに存在しますが、現状の導入量は限定的であり、農業従事者の高齢化や後継者不足という構造的課題が解決されない限り、大規模な普及は見込めません。記事が「農業になるべきだ」と理想を掲げる一方で、誰が具体的にその運営主体となるのか、実行レイヤーが示されていません。この物語が前提としているのは、農家が再エネ事業に積極的に関われるという仮定ですが、実際の農家は日々の農作業に追われ、新たな事業を立ち上げる余裕がないのが現実です。ここには物語先走りの構造があり、ビジョンと現場の実行力に大きなズレが存在します。次の観測点は、農地転用の規制緩和や、農業協同組合(JA)などが再エネ事業の実務を担う具体的な制度設計が進むかどうかです。理想論だけでは誰も動かないという、この構造を正確に認識する必要があります。