九州電力など、天然水素有望地選定へ/NEDO、3年かけ地下調査 - 電気新聞
九州電力と九州大学がNEDOの委託で天然水素の有望地選定に向け3年かけて地下調査を開始する。
専門家の視点
地下に自然発生した水素を回収する「天然水素」探査は、世界中で実証段階にありますが、日本では本格的な調査が始まったばかりです。九州電力と九州大学がNEDOの支援を受け、3年かけて九州の地下構造を調査し有望地を選定する計画は、欧米先行の技術キャッチアップを狙った実体ある動きです。 しかしここで注目すべきは、実体と物語の間に構造的なズレが潜んでいる点です。天然水素は「再生可能エネルギーとして夢の資源」と語られることが多いですが、地下の水素がどのようなメカニズムで生成・集積し、経済的に採掘可能な規模で存在するかは、世界的にも未解明の部分が大きいのです。つまり、有望地選定は物語の前提を検証する第一歩であり、商業化とは時間軸が大きく異なります。 この記事が暗に前提としている「日本にも天然水素が眠っている」という期待は、あくまで仮説に過ぎません。調査対象地域の地質条件が水素集積に適しているかという科学的事実と、事業化までのコスト・収益性の経済合理性は別のレイヤーです。今後の観測点は、3年後に選定された有望地で実際に試掘が行われ、その結果が公開されるかどうかです。