山口県「GXコンビナート支援を」/知事ら6月10、11日に政府要望
山口県知事らがGXコンビナート支援を政府に要請する方針を表明。
専門家の視点
山口県知事が政府に対して「GXコンビナート支援」を直接要望する構図は、地方自治体が国の産業政策の実行レイヤーとして動き出したという実体の変化を示しています。しかし肝心の「誰が具体的にどの工場で水素やCO2回収を使うのか」という実行計画の実体が記事からは見えてきません。物語としては「脱炭素と産業育成の両立」という魅力的なフレームが先行していますが、コンビナート内の企業間連携や需要家の確保という現実的な壁についての言及はほぼ省略されています。この構造は典型的な物語先走りであり、期待としては国が予算をつければ自動的に民間投資が誘発されるという楽観が市場に広がるリスクがあります。隠れた前提は「コンビナート規模でのGXは既存企業の延長で実現可能」という点ですが、実際には化学・鉄鋼・電力という業種横断での収益分配とリスク分担の新たな枠組みをゼロから設計する必要があります。次の観測点は、知事要望後に経済産業省が示す具体的な支援のスキームと、それに対して地元企業が提示する設備投資のコミットメントの有無です。