太陽光発電の環境アセスの規模要件を拡大 第1種を20MW、第2種を15MWに
専門家の視点
太陽光発電の環境アセスメント規模要件を第1種20MW、第2種15MWに拡大する決定は、実体として事業の乱開発リスクが高まっている現場を踏まえた制度修正です。しかし物語としては、環境省・経産省が「環境影響評価の実効性向上」を掲げながら、検討会が第5回でようやく取りまとめに至った経緯に実行レイヤーの非対称性が潜んでいます。つまり、規模要件の数値だけが先行して発表され、実際にアセスを執行する地方自治体の審査人材や、事業者側の環境配慮設計を監視する仕組みが同時に整備されているかが不明瞭です。ここに「物語先走り」の構造があります。さらに隠れた前提として、この要件拡大が新規案件のみに適用され、既存の大規模太陽光発電所の増設や出力変更時には適用外となる可能性を問い直す必要があります。実際、稼働後の出力増強は土地改変を伴わないためアセスを回避できるケースが多く、規制の抜け穴になり得ます。この構造から、次の観測点は環境アセスの実効性が審査件数増加と人材・予算の裏付けで本当に担保されるかの時間軸です。この制度変更は期待先行のリスクを孕んでいます。
環境省・経済産業省が共管する「太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会」の第5回会合で、太陽光発電の環境アセスメント制度における規模要件の見直しについて、変更内容の取りまとめが行われた。 太陽光発電は2040年エネルギーミックスにおいて23~29%の電力量を賄うと想定されており、円滑な導入拡大に向けては、地域との共生が図られた望ましい事業は促進すると同時に、不適切な事業に対しては厳格に対応する必要がある。 このため、「大規模太陽光発電事業に関する関係閣僚会議」が2025年12月に取りまとめた「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」では、環境影響評価(環境アセスメント)の対象規模の見直しを行うとともに、その実効性を強化することとした。 また風力発電事業については、2025年3月の「風力発電事業に係る環境影響評価の在り方について(二次答申)」において、現行の環境アセス法対象規模を下回る事業に係る効果的な環境配慮の確保の必要性が述べられている。 環境省・経済産業省が共管する「太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会」の第5回会合では、太陽光発電について環境アセスの対象とする規模要件見直しの取りまとめが行われた。 環境影響評価(アセスメント)法では、規模が大きく、環境に大きな影響を及ぼすおそれがある「第1種事業」では環境アセス手続を必ず行い、これに準ずる大きさの「第2種事業」では、環境アセス手続を行うかどうかを個別に判断(スクリーニング)している。 太陽光発電は2020年から環境アセス法の対象事業に追加され、現時点、第1種事業の規模要件は「4万kW(40MW)以上」、第2種事業の基準は「3万kW(30MW)以上4万kW(40MW)未満」としている。 環境アセス法に基づく太陽光発電のアセス実施件数(当該年度にアセス手続を開始した事業数)は表1の通りである。 また、風力発電事業は2012年から環境アセス法の対象事業に追加され、当初の規模要件は第1種事業では1万kW以上、第2種事業では0.75万kW以上1万kW未満であったが、2021年の見直しにより、第1種は5万kW以上、第2種は3.75万kW以上5万kW未満へと引き上げられた。 なお、国の環境アセス法の対象とならない規模の事業であっても、地方公共団体の環境アセス条例の対象となるものも多く、条例対象規模以下の事業についても自主的な環境アセスが実施されている。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 建設をエネルギーとICTで変える「BUILT」オープン!! 【特集】改正FIT法で対応必須! 太陽光発電の運用保守 ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境
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