マツダ/日本通運 バイオディーゼル燃料で完成車輸送実証 | カーゴニュースオンライン
専門家の視点
この実証は、限定的な規模(約12km、2台)と期間(2026年度末まで)で行われ、具体的なCO2削減量やコスト効果は示されていません。マツダは「EV転換は困難」と内燃機関の継続利用を正当化する一方、水素化植物油(HVO)の燃料段階での削減効果のみに焦点を当て、原料調達やライフサイクル全体の排出量には言及がありません。また、「水平展開」や「賛同の輪」という表現で将来の普及を期待させていますが、現時点では単一ルートの小規模な走行試験に過ぎず、規模と効果のギャップが顕著です。さらに、HVOは軽油比で価格が高く、供給量も限られるため、実証成功後のスケールアップやコスト競争力への言及が省略されています。この記事は「実証開始」という時点を「脱炭素化の加速」とフレーミングし、将来の成果を現在の物語として語る傾向があります。日本企業やGX人材は、小規模実証の結果を過大評価せず、サプライチェーン全体での実質的な排出削減と経済性の両立を冷静に評価する必要があるでしょう。
カーゴニュース 2026年6月9日 第5441号 マツダ(本社・広島県府中町、毛籠勝弘社長兼CEO)と日本通運(本社・東京都千代田区、竹添進二郎社長)は2日、オンラインによる記者会見を開き、バイオディーゼル燃料のHVO(水素化植物油)を使用した完成車輸送トレーラの実証走行を5月から開始したと発表した。山口県防府市に所在するマツダの防府西浦工場と中関完成車プールの間(往復約12㎞)で2026年度末までをメドに実施する。いすゞ自動車のキャリアカー2台を使用して1日20往復し、燃費や運用上の課題を検証する。バイオディーゼル燃料はHVOを51%含有したもので、NX商事が手配する。マツダは検証結果を踏まえ、別ルートでの完成車輸送や部品物流へ水平展開する考えで、環境負荷の低いバイオディーゼル燃料の普及を目指す。 会見にはマツダ経営戦略本部カーボンニュートラル・資源循環戦略部の深川健氏と日本通運執行役員モビリティセールス部担当の佐々木治氏が出席。マツダの深川氏は、今回の実証走行を通じて「完成車輸送と部品物流における脱炭素化を進め、環境負荷の低い新たな燃料の社会実装を加速させる」と説明。使用するHVOは軽油と同等の性質を持ち、既存の車両や給油設備を使えることがメリットだと強調した。そのうえで「脱炭素化が進むなかで走行する車両すべてをEVに転換することは困難だと認識している。この実証は、内燃機関で動く車両を活用できる環境を将来にわたって整備するための第一歩だ。実証を通じてバイオディーゼル使用への賛同の輪を広げていきたい」と語った。 日通の佐々木氏は「物流パートナーとして実証に参画できることは意義深い。持続可能な物流の実現とサプライチェーン全体の脱炭素化に貢献していく。バイオディーゼル燃料を使用する車両運用がカーボンニュートラルの有力な選択肢として提示できるよう、燃費や輸送品質、運用に与える影響をしっかりと検証する」と述べた。 なお、実証走行は、ユーグレナの開発した次世代バイオディーゼル燃料「サステオ51」を使用している。 * 毎週火曜日・木曜日発行。(祝日は休刊) © 株式会社カーゴ・ジャパン All rights reserved.
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