エネ庁が方針、需要家への情報発信強化/天然ガス転換促す - 電気新聞
資源エネルギー庁が、GXに資する燃料転換として天然ガスへの転換を促すため、需要家向けの情報発信を強化する方針を示した。
専門家の視点
エネ庁が天然ガス転換を促す方針を打ち出しましたが、ここには「物語先走り」の構造が見えます。政府はGX推進の物語として石炭から天然ガスへの燃料転換を好事例と位置づけ、需要家への情報発信強化を打ち出しました。しかし、天然ガスは燃焼時にCO2を排出するため、長期的な脱炭素目標(カーボンニュートラル)とは根本的に矛盾します。この施策はあくまで「移行燃料」という時間稼ぎの物語であり、実体としてのCO2削減効果は限定的です。 さらに、導管事業者の払い出し余力の情報視認性向上は制度面での改善ですが、実行レイヤーが不足しています。需要家が実際に転換を決断するには、設備投資コストや供給安定性の保証が不可欠ですが、記事からはその具体策が見えません。隠れた前提は「情報さえ届けば需要家は合理的に行動する」という楽観視です。実際には、価格シグナルや補助金といった経済的インセンティブが伴わなければ、中小企業などは動きません。このままでは、期待だけが先行し、実質的な燃料転換が進まないリスクが高いと言えるでしょう。次に注目すべきは、情報発信と同時に実行を後押しする財源や規制が提示されるかどうかです。