第1回日本物流大賞、コープさっぽろなど4者選定 - LOGISTICS TODAY
専門家の視点
各受賞事例は個別のCO2削減量や効率化数値を明示しており、特にコープさっぽろの1便化による310トン削減や、モーダルシフトによる71%削減など実体は具体性を伴っています。しかし、これらの成果はあくまで限定的なプロジェクト単位であり、物流業界全体の排出量に占める割合は小さく、規模と効果のギャップが看過されがちです。記事は「評価された」という肯定的なフレーミングで語られ、各社の協調やDX活用という物語を強調する一方、取り組みが小規模であることや、他地域・他企業への横展開の難しさといった課題は省略されています。また、1便化による店舗の在庫リスクや消費者へのサービス低下など、省略された利害関係者の視点も存在します。読者は脱炭素の成功事例を期待しますが、実態は萌芽的な取り組みの表彰にとどまり、抜本的な構造転換には至っていないというズレがあります。日本企業やGX人材は、こうした事例を参考にしつつも、個別最適に終わらず、業界全体での共通基盤整備や規制改革を含むシステム思考が不可欠です。
認証・表彰日本物流団体連合会(物流連)は5日、第1回「日本物流大賞」の受賞者を発表した。大賞には、北海道ロジサービス、生活協同組合コープさっぽろ、エース、札幌軽量急送の4者による「DX×匠の現場力」による物流構造改革を選んだ。AI(人工知能)需要予測を活用して1日2便配送を1便化し、空いた配送便を地域の共同配送に活用する取り組みが評価された。 日本物流大賞は、カーボンニュートラルや生産性向上を通じ、将来にわたって持続可能な物流を目指す企業・団体の取り組みを表彰する制度で、今回が初開催となる。今年度は41件の応募があり、海上輸送や鉄道輸送へのモーダルシフトが多数を占めた。共同輸送、往復輸送、小ロット貨物の集約、積載率向上、荷役作業の効率化、デジタル技術の活用など、物流の2024年問題や脱炭素への対応を意識した案件が目立った。 大賞案件では、コープさっぽろ向け物流で従来の1日2便制を見直した。AIやPOSデータを使った需要予測、自動発注、納品曜日のコントロール、発注ロットの調整により荷量波動を抑えたうえで、熟練担当者が現場判断を加える仕組みを構築した。2便目の積載率が低いという課題に対し、店舗の利便性を損なわず1便化を実現。これにより43の空きコースを生み出し、地域事業者の貨物混載や協力会社の調達物流統合に活用した。CO2排出量を310トン、ドライバー拘束時間を2万6448時間削減した点も評価された。 (クリックで拡大、出所:日本物流団体連合会) モーダルシフト賞は、北越コーポレーション、ダイハツ工業、北越物流、日本通運、JR貨物による「紙と自動車」の異業種ラウンドマッチング輸送が受賞した。新潟から関西向けの紙製品輸送で使った20フィートコンテナを、帰り荷として小型自動車輸送に活用する仕組みを構築。自動車の固縛方法や取り卸し場所を調整し、空コンテナ回送の削減とCO2排出量130トン削減につなげた。 事業者間連携賞は、関光ロジNEXT、豊島、MNインターファッション、ヤギ、東京九州フェリーによる輸入貨物の共同輸送が選ばれた。競合関係にある商社3社が、物流を協調領域と位置付け、下関港に輸入貨物を集約。新門司港から横須賀港へフェリーで輸送する海上モーダルシフトを成立させた。通関当日にフェリーへ接続できる運用を組み、CO2排出量を71%、ドライバー運転時間を85.7%削減した。 先進技術活用賞は、三五とMujin Japanによる自動車部品物流の自動化が受賞。工場敷地内に知能ロボットやAGV(無人搬送車)を組み合わせた自動化倉庫を設け、完成品搬送、保管、集荷、ピッキングを自動化した。外部倉庫との往復輸送を廃止し、年間10トントラック2080便分の輸送、CO2排出量11.0トン、荷役・荷待ち1700時間を削減した。 環境負荷低減賞は、東京九州フェリー、赤城乳業、タイセイ、マリネックスによるアイスクリームの低温輸送モーダルシフトが受賞した。関東から九州向けのアイス輸送で高速フェリーを活用し、厳格な温度管理とリードタイムを維持しながら、トラック輸送から海上輸送へ切り替えた。セミトレーラー化で積載効率も高め、CO2排出量766.1トン、ドライバー運転時間5010時間の削減を実現した。 働き方改革貢献賞は、日本通運、WHILL、ミライロによる「誰にもやさしい倉庫」が選ばれた。倉庫内で近距離モビリティやAGV・AMRを活用し、長距離歩行や搬送作業の負荷を軽減。ユニバーサルマナー教育やバリアフリー調査も組み合わせ、多様な人材が働きやすい倉庫モデルを構築した。特定拠点の改善にとどめず、複数拠点への展開を進めている点も評価された。 特別賞には2件が選ばれた。クラベ、豊田通商、パンテックの取り組みは、使用済みストレッチフィルムを回収、ペレット化し、再びストレッチフィルムとして利用する水平リサイクルを構築した。廃棄量を95.5%削減し、焼却由来のCO2排出削減にもつなげた。もう1件は、日本通運と損害保険ジャパンによる南海トラフ地震を想定した国際輸送BCPサービス。国内代替港、韓国・釜山の保税倉庫、包括保険を組み合わせ、大規模災害時の輸出入貨物の滞留や国際物流の断絶に備える仕組みを整えた。 日本物流記者会賞は、村田製作所、ローム、日本通運によるEVトラックを使った電子部品の共同往復輸送が受賞した。京都と関西空港間で各社が個別運行していた輸送を共同化し、EVトラックを導入した。航続距離や充電環境といった制約に対し、経路上の急速充電ステーション確保や荷役順序の調整で対応。輸送中のCO2排出量をゼロにし、積載率を15%から60%に高めた。 奨励賞では、鉄道やフェリーへのモーダルシフト、冷蔵・冷凍品輸送の効率化、青果や医薬品など品質管理が難しい貨物の輸送改善、共同輸送、
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