山梨中央銀、漫画でサステナ経営促す 先進事例紹介も - ニッキンONLINE
山梨中央銀行が、漫画を用いたサステナビリティ経営促進のための冊子を作成し、先進事例として東京エレクトロンのCO2排出量算定などを紹介する。
専門家の視点
この施策の構造的な論点は「物語はあるが実体追跡が弱い」点にあります。山梨中央銀行が漫画という親しみやすい媒体で中小企業トップにサステナビリティを促すのは、経営者の関心を引く「きっかけ」としては効果的です。しかし、記事が「東京エレクトロンはCO2排出量を算定しない」と引用するなど、先進事例を紹介しても、肝心の中小企業が「自社でどう算定し、どう削減に着手するか」という実行レイヤーが欠落しています。脱炭素経営を促すには、漫画で意識を変える「物語」と、具体的な算定ツールや補助金申請の伴走支援という「実体」を同時に提供する必要があります。ここで問い直すべき隠れた前提は、「漫画で伝えれば経営者が動く」という発想です。実際には、知識不足より「人手・時間・コスト」が障壁であるため、漫画だけでは行動変容に結びつきにくいのです。期待先行で市場が走る前に、この銀行業務の核心は、渉外係が実務的な脱炭素診断シートを持ち込めるかどうかにかかっています。次の観測点は、この冊子配布後の具体的な融資相談やCO2算定支援の件数です。