嫌われる再エネ、ホルムズ危機で風向きに変化 見直される価値とは - 朝日新聞
専門家の視点
政府目標の達成可能性が不透明な中、再エネ逆風とホルムズ危機による風向き変化を対比する語り口は、未来の地政学リスクを現在の普及停滞の解決策として期待させるものです。しかし、FIT縮小や洋上風力の頓挫といった具体的事象は、コスト低減を過度に重視した制度設計の失敗を示しており、目的(再エネ普及)と手段(コスト競争)が倒置した典型例です。また、再エネの価値を「国産資源」とフレーミングする一方で、立地紛争や地域住民への影響といった省略された利害関係者の視点が欠けており、その価値が誰にとってどのようなものかが曖昧です。比較基準も恣意的で、輸入化石燃料のリスクだけを強調し、再エネの不安定性や追加コストを軽視しています。日本企業やGX人材は、地政学的リスクを短期的な議論の材料にせず、社会受容性と制度設計の整合性を長期的視点で捉える必要があります。
メールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするlistはてなブックマークでシェアする諸富徹・京都大学公共政策大学院教授 [PR] 日本でも拡大を続けてきた再生可能エネルギーが、正念場を迎えています。エネルギー源の大半を輸入に頼る日本にとって、貴重な国産資源のはずですが、最近は世の中で評判があまりよくありません。ただ、この分野に詳しい京都大学の諸富徹教授は、イラン戦争をきっかけに再エネの価値が見直され、再び追い風が吹く、と指摘します。さまざまな課題をどう乗り越えていけばいいのか、話を聞きました。 ――最近、再生可能エネルギーへの期待が国内で薄れているように見えます。大規模太陽光発電(メガソーラー)への批判は強まり、洋上風力でも昨年、鳴り物入りの計画が頓挫しました。 「ここ数年、再エネへの追い風はやみ、むしろ逆風が吹いています。2011年の福島第一原発事故の後、政府は固定価格買い取り制度(FIT)の導入など、再エネ拡大の政策を本格化させ、太陽光発電を中心に普及が進みました。これは大きな成果だと思いますが、足元では伸びがほぼ頭打ちになっています。政府は再エネを主力電源とし、発電量に占める割合を今の2割台半ばから40年度に4~5割まで伸ばす目標を掲げますが、相当てこ入れしない限り、達成は無理でしょう」 「メガソーラーは開発が進み、適地も減ってきました。最近はインフレで建設費が上がる一方、国民負担の抑制を理由にFITなどの支援が急速に縮小され、新規投資にブレーキがかかっています。再エネの次の切り札となる洋上風力が最初の大型案件でつまずいたのも、制度の問題が大きい。政府は事業者公募でコストの低さに重きを置きすぎ、三菱商事の落札価格が費用構造から見て妥当かをチェックできませんでした」 ――再エネのイメージ悪化の原因をどう見ますか。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません お気に入りのニュースサイトをGoogleで優先的に表示できます。今すぐ「朝日新聞」をかんたん登録
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