明確なCO2削減目標を/建築物省エネ法改正案可決/衆院国交委 畑野氏が要求 | しんぶん赤旗
専門家の視点
この記事は、建築物省エネ法改正案の可決を伝えていますが、実質的な削減目標は示されていません。日本共産党の畑野議員が指摘するように、エンボディドカーボンに関する具体的なロードマップはなく、届け出義務も大規模事務所に限定され、住宅分野が除外されています。これは「目的と手段の倒置」-届け出が目的化し、実効的な排出削減に結びつかないリスクを示します。また、国交相の「しっかり取り組む」という答弁は「主語の曖昧化」であり、具体的な責任主体やスケジュールが不明瞭です。さらに、CCSについて住民の不安を無視した議論の進め方は、「省略された利害関係者」の問題を露呈しています。本記事は、規制の射程外にある企業ほど自主的な目標設定と住宅分野を含むライフサイクル全体の脱炭素化に動くことで、競争優位を築く示唆を与えています。
建築物省エネ法改正案可決衆院国交委 畑野氏が要求 (写真)質問する畑野君枝議員=3日、衆院国交委 建築物省エネ法改正案が4日の衆院本会議で、日本共産党などの賛成多数で可決しました。改正案は、5000平方メートル以上の事務所などの新築に、建築物のライフサイクルカーボン(建材製造から施工、運用、解体までの二酸化炭素=CO2排出量)の算定・評価・届け出を義務付けます。 日本共産党の畑野君枝議員は3日の衆院国土交通委員会で、限られたカーボンバジェット(残存するCO2排出可能量)を踏まえ、2050年カーボンニュートラル(CO2排出ゼロ)に向けた「削減目標やロードマップが必要だ」と指摘。照明や空調など建物の運用中の排出を除く建材の製造、施工、改修、解体の過程で排出されるエンボディドカーボンについては、具体的な削減目標やロードマップが示されておらず、実際の削減につなげる取り組みを「スピード感をもって進めるべきだ」と求めました。 金子恭之国交相は「しっかり取り組んでいきたい」と答弁しました。 畑野氏は、法案は届け出義務の対象を5000平方㍍以上の事務所などに限定し、高層マンションなど住宅分野を含んでいないとして、「建築分野全体の脱炭素化のためにも住宅分野の脱炭素化が必要だ」と強調しました。 さらに畑野氏は、将来的に低炭素建材として評価される可能性があるCCS(CO2回収・貯留)の試掘が千葉県九十九里沖で進み、住民から不安の声が上がっていると告発。CCSのCO2削減効果をただしたのに対し、国交省の宿本尚吾住宅局長は「国際的な動向を踏まえ検討する」と答えました。 畑野氏は、CCSはコストや安全性、CO2削減効果など課題が多く「やめるべきだ」と主張しました。
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