企業動向

銅資源の国内循環を推進 NTT/三菱マテリアルが新会社

2026-06-04
NTTと三菱マテリアルが、使用済み機器から非鉄金属の再生材を製造・販売する新会社を設立し、資源の国内循環を推進する

専門家の視点

NTTと三菱マテリアルによる新会社「NTTサーキュラスト」設立の発表は、銅などの非鉄金属の国内循環を促進する具体的な一歩です。しかし実体として、現時点の売上目標は2030年度で30億円と小さく、2035年度で300億円という計画も、環境インパクトの具体的な数値(CO2削減量や資源循環率)が伴っていないため、規模と効果のギャップが懸念されます。語られ方としては「国内循環の推進」というポジティブなフレーミングが強調され、新会社の設立という行動自体が成果として扱われていますが、実質的なリサイクル技術のコストや品質、既存のリサイクル市場との競合といった課題は省略されています。また、売上目標だけが成長の指標として提示されることで、本来の目的である脱炭素や資源安全保障というGXの本質が、事業拡大という手段に倒置されるリスクがあります。読者が期待する環境効果の裏付けが不足しているため、物語と実態のズレが生じています。日本企業やGX人材は、KPIとしての売上高だけではなく、循環による削減量や資源代替率など、環境実効性を測る基準を事業設計に組み込む必要があります。

NTTと三菱マテリアルは2026年6月4日、新会社「NTTサーキュラスト」の設立を発表した。使用済み機器を原材料とした非鉄金属(金銀銅など)の再生材の製造および販売と、再生材の特性情報の伝達に関する事業を行う。現時点では2030年度頃で30億円、2035年度頃で300億円程度の売り上げを想定するという。 NTTと三菱マテリアルは2026年6月4日、新会社「NTTサーキュラスト」の設立を発表した。資本金は15億円(資本金7億5000万円、資本準備金7億5000万円)で、出資比率はNTTが66.6%、三菱マテリアルが33.4%。同年7月1日の設立を予定する。 新会社では、使用済み機器を原材料とした非鉄金属(金銀銅など)の再生材の製造および販売と、再生材の特性情報の伝達に関する事業を行う。まずは使用済みIT機器など、NTTグループの排出物を起点に回収から再生材化、活用までの循環モデルを実装し、将来的には回収チャネルの拡大や他素材への展開を目指す。現時点では2030年度頃で30億円、2035年度頃で300億円程度の売り上げを想定するという。 NTT執行役員の爪長美菜子氏によると、NTTサーキュラスト設立の背景として、銅の需給構造変化があるという。近年、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー、データセンターの拡大などで世界的に銅の需要が伸びている。一方で日本は原料の銅精鉱を100%輸入に頼っているうえ、世界各国で銅などの重要鉱物を囲い込む動きが強まっている。 爪長氏は「持続可能な資源供給の実現には、再生材の活用が不可欠だ。しかし現状、原料となるスクラップの回収が不十分なことに加え、国内の銅スクラップはほとんど海外へ輸出され、国内で循環できていない。さらに再生材の由来や配分、環境負荷といった特性情報が十分に共有されず、再生材の価値を説明することが難しい状況だ」とする。 「NTTグループは年間47万トンの排出物を管理しているため、資源循環の起点になれる。また業界を横断した情報流通基盤の構築運用の実績があるため、再生材の特性情報を共有、伝達する仕組みを実装できる。こういった強みを生かして、再生材が選ばれる市場づくりに貢献したい」(爪長氏) Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. All material on this site Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. This site contains articles under license from AspenCore LLC. ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境

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