制度・政策

【日本】経産省、蓄電池・電源産業戦略発表。目標後退も成長掲げる。日本版バッテリーパスポートも

2026-06-04
経産省が蓄電池産業戦略を改訂し、AIデータセンターや医療・防災向け需要に対応する新戦略と日本版バッテリーパスポートを発表。

専門家の視点

経産省の新戦略は、蓄電池目標の後退を認めつつも、データセンターや防災といった新たな需要領域に物語を拡張した点が特徴的です。しかしここには「実体が翻訳されていない」構造が潜んでいます。現実として、日本の電池セル世界シェアは2015年の約4割から現在は1割未満へと急落しており、国内の材料・製造装置の競争力も外資依存が進行しています。この実体を踏まえると、今回の戦略改訂は物語上「成長」を掲げますが、肝心の「誰が作るのか」という実行レイヤーが曖昧なままです。日本版バッテリーパスポートはトレーサビリティでの差別化を狙いますが、これはあくまで国際ルールメイキングへの参加であり、生産量の回復には直接つながりません。隠れた前提は「日本の技術力はまだ世界をリードできる」という点です。実際には材料特許の優位性は薄れ、量産コストで大きく劣後しているため、新領域のシステム提案だけで巻き返せるとは言えません。この戦略が機能するための観測点は、合弁会社や国内大型工場の具体的な量産開始時期と、パスポートを活用したビジネスモデルが外需を取れるかどうかです。

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