【国際】LeadIT、セメントCCUS動向報告。2035年でも排出量2%未満に留まる見通し
LeadITが、セメント産業におけるCCUSの導入状況をまとめた報告で、2035年時点でも排出量削減への寄与は2%未満にとどまる見通しを示した。
専門家の視点
セメント産業のCCUS技術は、導入プラント数が世界的に増加傾向にありますが、LeadITの分析では2035年時点でも排出量削減への寄与は2%未満に留まる見通しです。ここには「実体」としての技術導入ペースと、脱炭素の切り札として語られる「物語」との間に明確なズレが存在します。政策や投資はCCUSに大きく期待を寄せていますが、現実の削減貢献は限定的であり、これは「物語先走り」の構造です。特にセメント産業の排出源がプロセス由来(原料の化学反応)であるため、エネルギー転換だけでは解決できず、CCUS以外の根本的な代替技術やプロセス改革が不可欠ですが、それらの実用化はさらに時間を要します。見えにくい前提として、「CCUSがあれば既存設備を温存できる」という考え方がありますが、この前提は2035年以降の本格的な排出削減期限と整合しません。脱炭素の時間軸は、CCUSの大規模展開よりも、将来の技術リスクを織り込んだ上での現実的なポートフォリオ構築を求めています。次の観測点は、各社がCCUS導入を「出口戦略」と位置付けるのか、「移行策」の一部と位置付けるのかの判断です。