制度・政策

EUの循環経済は、経済安保へ。迫る「サーキュラーエコノミー法」公表に向けた最新議論【ECESP年次会議・現地レポ】 - IDEAS FOR GOOD

IDEAS FOR GOOD 2026-06-03
EUのサーキュラーエコノミー法の最新議論と、循環経済が経済安全保障に位置づけられる動向について報じている。

専門家の視点

EUの循環経済政策は、実体として「資源依存の低減」という経済安全保障の手段へと軸足を移しています。記事が伝えるのは、サーキュラーエコノミー法の公表に向けた議論であり、物語として「環境から経済安保へ」というフレーミングの変化が明確です。しかし、ここには構造的なズレが潜んでいます。実体面では、廃棄物処理やリサイクル率といった既存のKPIが先行している一方、物語が掲げる「戦略的自律」の実現には、クロスボーダーな資源循環の制度設計や産業再編という、膨大な時間と調整が必要です。つまり、物語が急加速しているものの、それを支える実体(具体的な法制度の執行力、加盟国間の利害調整、投資回収の見通し)が追いついていない「物語先走り」の構造です。隠れた前提は、EUが域内で完全な循環を完結できるという仮定です。実際には、中国やその他の資源国との関係性を抜きに、電子廃棄物や希少資源の循環を自立させるのは極めて困難です。次の観測点は、2025年に予定される法案の公表時、特に「拡大生産者責任」の範囲と、域外資源との非対称な競争条件をどう調整するかの具体策です。

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