再エネ・技術

「再エネ国民負担」を起点に考える卒FIT電源維持 - 三菱総合研究所

2026-06-04
卒FIT電源の事業継続判断時期と脱炭素価値の定着による再エネ市場競争力向上時期の間にラグが生じる可能性について解説している。

専門家の視点

このコラムが指し示す構造は「実体が翻訳されていない」パターンです。卒FIT(固定価格買取期間満了)後の太陽光発電設備が2030年に急増する一方、事業継続には7~10円/kWhという発電単価とパネル更新費用の壁があります。しかし、国民負担論に隠れてこの実体が伝わっていません。現実には、LNG価格低下による卸電力価格の低迷が卒FIT電源の収益をさらに圧迫する可能性があり、設備の早期廃棄リスクが高まります。制度の非対称性も見逃せません。FIT導入は迅速でしたが、卒FIT後の事業継続支援やリパワリング(設備更新)の手続き簡素化は遅れています。欧州では環境アセスメントや系統接続の簡素化が進んでいるものの、日本では実行レイヤーが制度設計と現場の事業者に分断されたままです。物語は「国民負担の軽減」を前面に出すことで、卒FIT電源維持に向けた具体的なKPIや失敗の扱いが欠落しています。次の観測点は、2030年に向けたリパワリングの実証スケジュールと、卸電力市場での卒FIT電源の最低落札価格の推移です。

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