再エネ・技術

扇島の水素供給網構築へ支援を川崎市、国の予算編成むけ要望 - 海事プレス

2026-06-04
川崎市が扇島地区の水素供給網構築に向け、27年度の国の予算編成に支援を要望した。

専門家の視点

川崎市の要請は、水素供給網構築という「物語」を国に先取りさせようとする動きですが、肝心の「実体」である需要創出やコスト競争力の検証が不透明です。扇島地区の水素供給網は実証段階を超えてスケールアップする必要がありますが、現状では水素の調達価格や供給安定性、そして最大の課題であるユーザー企業の転換意志が明確ではありません。国の予算獲得は「期待」を先行させますが、実際に水素を購入し利用する産業界のアクションが伴わなければ、インフラだけが先行するリスクがあります。この構造は、物語先走りの典型であり、川崎市が要望書で示した「水素サプライチェーンの構築」というビジョンは、技術的な可能性と経済的な現実の間に大きな隔たりがあることを隠しています。隠れた前提は「水素がコスト面で自然に普及する」という楽観視ですが、現時点ではグリーン水素の製造コストは化石燃料比で数倍高く、需要を自発的に生む仕組みが欠けています。次の観測点は、川崎市が要望とは別に、域内企業との具体的なオフテイク契約やCO2削減量のKPIをいつ公表するかです。

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