制度・政策

GX-ETS第2フェーズ始動 10万t以上排出事業者に参加義務 | 環境ビジネスオンライン

2026-06-04
GX-ETS第2フェーズが始動し、年間10万トン以上排出する事業者に参加が義務付けられる制度改正の内容を報じている。

専門家の視点

GX-ETS第2フェーズは、年間10万トン以上のCO2を排出する事業者に参加を義務付ける制度設計となっています。実体としては、約300~400社が対象となり、排出量の把握と報告が求められますが、排出削減そのものに対する直接的な罰則やキャップ(上限)は設定されていません。 この制度の構造的な論点は、物語と実体の間にズレがある点です。政府は「成長志向型」と銘打ち、排出量取引が経済成長と両立するという物語を掲げていますが、実体は現状の排出量の「見える化」に留まり、削減インセンティブが弱い市場設計です。制度の導入は早いものの、執行や人材が追いつかない非対称性が懸念され、特に中小企業を含むサプライチェーン全体への影響評価が不十分です。 また、記事が当然としている「排出量取引が最適な削減手段である」という前提を問い直す必要があります。日本の産業構造では、各業界の実態に即した規制的なアプローチや補助金の方が効果的なケースも少なくありません。この制度の時間軸は、2026年度の本格稼働から長期にわたるため、市場の反応はまだ先行投資をためらう状況が続くでしょう。

GX-ETS第2フェーズ始動 10万t以上排出事業者に参加義務環境ビジネス編集部 2050年カーボンニュートラルの実現と経済成長の両立を目指す「GX(グリーントランスフォーメーション)」。その中核をなす「成長志向型カーボンプライシング構想」が、社会実装の段階を迎える。2023年度からGXリーグにおいて試行的に開始された日本版排出量取引制度(GX-ETS)は、2026年度から「第2フェーズ」として本格稼働する。対象事業者の義務化、ベンチマーク方式の導入、価格安定化措置など制度の全体像と今後の展望を分析する。 日本は脱炭素化を経済成長の機会と捉え、今後10年間で150兆円を超える官民GX投資を実現することを目指している。その呼び水となるのが、20兆円規模の「GX経済移行債」を活用した先行投資支援と、CO2排出に値付けを行う「カーボンプライシング」である。 GX-ETSは、このカーボンプライシングの重要な柱の一つだ。2025年に成立した改正GX推進法に基づき、2026年度からは一定規模以上の排出を行う事業者に対し、制度への参加と排出実績に応じた排出枠の保有が義務化される。 2023年度から始まった第1フェーズ(試行期間)では、カーボンニュートラルに野心的に取り組む企業が参加する「GXリーグ」において、自主的な排出量取引が試行されてきた。この期間には、日本の温室効果ガス排出量の5割超を占める企業が参加し、企業単位での削減目標設定や排出量の算定・検証に関する実務的な知見が蓄積された。 しかし、あくまでも自主的な枠組みであるため、目標設定の水準や客観性という観点において課題が見られた。また、初年度の実績報告では、慣れない事務手続きや計測機器の精度確認、関係者間のコミュニケーションに時間を要し、第三者検証を受けた報告書の提出が遅延する企業も一定数存在した。これらの教訓は、第2フェーズの制度設計に直接反映されている。 「環境ビジネス」有料読者限定の記事です。仕事に役立つ、環境業界の先行きが分かる有益な記事が読み放題各自治体・環境対策設備ごとの補助金が探せる「補助金情報検索システム」も利用可能「スタンダードプラン」なら更に高付加価値な情報も載る季刊「環境ビジネス」が届く無料登録ログイン購読して続きを読む注目情報(PR)この記事にリアクションして1ポイント!(※KAIGI ID登録でポイントを貯められます) オススメ情報(PR)おすすめのコンテンツ直近1週間のアクセスランキング世界初 データセンターの排熱を冷却エネルギーに変える「エジェクタ冷却機」 「発電・運輸」中心の日本の水素戦略に用途見直し促す 自然エネルギー財団 再エネ発電所の現地調査、外観確認は事前連絡なし 26年度は非FIPも対象 トヨタの「ウーブン・シティ」、発明拠点の「インベンターガレージ」を初公開 国内初、カルコパイライト太陽電池を壁面に 東急不動産が植物工場で導入 グリーン冷媒「R1234yf」を採用したノンフロンチラー 脱炭素計画策定システム『Green AI』 新着イベントJAPAN Climate Summit 2026 2026.07.24~2026.07.24 まで生活者を「点」ではなく「ストーリー」として理解する ~1億超のシングルIDで顧客解像度を上げ、一歩先を行くマーケティング施策へ~ 2026.06.12~2026.06.12 までテレビ×デジタルの出稿データを資産に変える メディアバイイングの高度化に向けたロッテの取り組み 2026.06.16~2026.06.16 まで宣伝会議サミット

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