企業動向

再エネ実質100%の東急電鉄 追加性を重視、証書頼らず - 日本経済新聞

日本経済新聞 2026-05-28
東急電鉄が再エネ実質100%を達成するため、追加性のある電源調達を重視し、従来の環境証書に依存しない方針を取っている。

専門家の視点

東急電鉄が環境証書に頼らず「追加性のある電源」を調達する方針は、再エネ100%宣言の実体を伴う試みとして評価できます。実体として、同社が自社の電力需要に対して新たな再エネ発電所の建設を促す電力購入契約(PPA)などを通じ、実際の供給量を増やす行動に移っている点が明確です。従来の証書購入が「実体を伴わない物語」になりがちだったのに対し、今回の取り組みは物語と実体の乖離を是正する方向です。ただし、この追加性重視のアプローチには、コスト高や調達量の限界という実体上の制約が潜んでいます。市場全体で見れば、全企業がこの調達方法に移行できるわけではなく、大企業だからこそ可能な選択肢でもあります。ここでの隠れた前提は「追加性のある電源が十分に存在する」という点ですが、現時点では建設リードタイムや用地制約から供給が需要に追いついていません。期待のレイヤーでは、投資家や環境団体がこの取り組みを過大評価し、証書市場を軽視する風潮が先行するリスクがあります。構造的な観測点は、東急電鉄がこの方針をどの程度の規模と期間で維持できるかであり、実証のスケジュールが次に見るべき指標です。

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