英、40年に排出量87%減目標 脱炭素で電力コスト抑制 (ロイター) - Yahoo!ニュース
英国が2035年までに1990年比で排出量87%削減という新たな目標を掲げ、脱炭素政策による電力コスト抑制を目指す方針を発表した。
専門家の視点
英国が2035年までに1990年比87%削減という目標を掲げた背景には、既存の排出削減ペースを加速させる政治的な意思があります。しかし実体として、この目標を達成するための具体的な技術パスと制度設計の詳細はまだ示されていません。ここには「物語先走り」の構造が見えます。脱炭素による電力コスト抑制という説明は国民へのアピールとして有効ですが、再生可能エネルギー拡大に伴う系統安定化コストや、ガス火力のバックアップ費用などの物理制約が軽視されるリスクがあります。英国は北海の洋上風力で先行しますが、変動電源の増加に伴い、電力システム全体のコスト構造がどう変化するかは不透明です。また、目標達成の実行主体は政府だけでなく、発電事業者やネットワーク企業であり、投資判断を促す制度の時間軸が重要です。市場や投資家は当面、この目標をポジティブに受け止めるでしょうが、2030年に向けた中間マイルストーンが示されない限り、期待先行の熱狂は持続しません。ここで問い直すべきは、排出量削減目標が高いほど電力コストが下がるという前提そのものです。