制度・政策

英、40年に排出量87%減目標 脱炭素で電力コスト抑制 - Reuters

Reuters 2026-06-03
英国が2040年までに温室効果ガスの排出量を1990年比87%削減する目標を発表した。

専門家の視点

英政府が2040年までに排出量87%削減を打ち出した背景には、同国がすでに2030年までに石炭火力をほぼ全廃したという実体があります。陸上風力・太陽光のコストが天然ガスを下回る現実があり、この目標は技術的・経済的に達成可能な範囲と言えるでしょう。物語としては「脱炭素と電力コスト抑制の両立」という分かりやすいフレームが示されており、目標達成後の電力市場像が具体的に描かれている点は評価できます。しかし、期待のレイヤーでは投資家が先行し、送電網整備や蓄電容量の拡充といった実体のボトルネックが追いついていない可能性があります。隠れた前提は「削減目標が達成されれば電力コストは自動的に下がる」という見方です。実際には、再エネ比率が高まるほど系統安定化コストが増大し、小売料金に転嫁される構造が無視されています。この問題を解決するには、市場設計の変更や需要側の柔軟性確保が必要です。構造は「実体が整い始めたが、期待が制度設計を先取りしている」状態と言えるでしょう。次に観測すべき点は、英政府が送電網投資の許認可プロセスをどの程度加速できるか、そして変動性再エネの価格形成メカニズムをどう改めるかです。

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