制度・政策

大規模太陽光の法令アセス、規模要件を現行の半分に - ニュース - メガソーラービジネス plus

2026-06-03
大規模太陽光発電所の環境アセスメント対象となる規模要件を現行の半分に引き下げる法令改正の動きを報じている。

専門家の視点

環境影響評価法の改正により、大規模太陽光発電所の環境アセスメント対象規模が現行の出力4万kWから2万kWに引き下げられます。この実体は、太陽光発電の急拡大に伴う環境破壊や地域紛争を抑制する制度対応ですが、同時に事業者の開発コストと工期が増加するという物理制約を伴います。 物語としては「環境保護と再生可能エネルギー拡大の両立」が掲げられていますが、目標(2050年カーボンニュートラル)と制度(アセス対象拡大)の間には時間軸のズレが存在します。アセス手続きには2~3年を要するため、短期の導入量拡大には逆行する可能性が高いです。また、誰がこの追加負担を負うのか(事業者・地域住民・電力消費者)についての説明が欠けており、実体が翻訳されていない構造と言えます。 期待のレイヤーでは、環境団体や地域住民は歓迎する一方、投資家や太陽光事業者は事業リスクの増大として受け止め、市場が萎縮する恐れがあります。隠れた前提は「環境アセスが適切に執行される人材が既に十分存在する」という点ですが、現実には自治体や環境省の審査体制が追いついておらず、制度先行の実体欠落が懸念されます。

環境省は、3月1日に開催した有識者会議(太陽光発電事業等の環境影響評価に関する検討会)において、環境影響評価法(環境アセスメント法)の対象となる太陽光発電事業の規模要件を、現行の半分の連系出力まで広げる考えを示した。 環境影響評価法では、環境アセスが必須の第1種事業、事業ごとに環境アセスの必要を判断する第2種事業を定めている。第1種事業は面積100ha以上、第2種事業は係数を0.75として75ha以上100ha未満を基本要件とし、事業種ごとの特徴を踏まえた上で具体的な規模要件を設定している。太陽光発電事業の場合、政令により2020年度から第1種事業は連系出力40MW(100ha相当)以上、第2種事業は同30MW以上40MW未満が対象となっている。 一方、地域で紛争となっている太陽光発電事業を、2020年4月1日〜2025年11月27日までの新聞報道から抽出したところ、連系出力12MW(廃棄物最終処分場の第1種事業の規模要件である30ha相当)以上30MW未満(現行の法対象規模未満)の規模の事業8件のうち7件が同20MW以上、残り1件も15MW以上だった(図1)。 また、他事業と比較すると、埋立て・干拓事業と風力発電事業は基本要件の100haより小さい50ha以上を、廃棄物最終処分場は30ha以上を第1種事業の規模要件に定めている。これらを踏まえ、「太陽光発電事業の第1種事業の規模要件は連系出力20MW(50ha相当)以上とすることが適当である」とした。 第2種事業は、他法令における規定例との整合性の観点から現在の係数0.75を維持し、規模要件を連系出力15MW以上20MW未満とすることが妥当とした。12MW以上の環境紛争が生じている事業のうち15MW未満の規模の事業はわずかであり、当該規模の事業を環境アセスの個別判定が必要な第2種事業とする根拠が十分とはいえないと判断した。 今回の事務局案が政令として施行された場合、現在、自治体の定めた条例による環境アセスメントの対象になっている連系出力30MW以下のメガソーラーのうち、15MW以上は法令による環境アセスの対象になり、アセスメントの手続きや期間などに関して、事業者の負担が大きくなる可能性がある(図2)。 Copyright 2026 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved. このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP、またはその情報提供者に帰属します。 掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

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