制度・政策

JH2A、高市首相に「水素」導入加速に向け政策提言 - ニュース - メガソーラービジネス plus

2026-06-02
水素バリューチェーン推進協議会が高市首相に水素導入加速のための政策提言を提出

専門家の視点

水素推進協議会が首相に政策提言を行った記事ですが、この構造は「物語先走り」の典型です。提言の中身は「社会実装加速」や「産業の持続的成長」という壮大なビジョンで構成されていますが、肝心の実体である「誰が」「いつ」「どのコストで」水素を供給するのかという実行レイヤーが欠落しています。特に日本の水素戦略が抱える根本的な課題は、製造コストが現状のグレー水素と比較しても高く、ブルー水素やグリーン水素の価格競争力が2030年までに見通せない点です。政府への提言だけでは需給ギャップは埋まらず、むしろ補助金に依存した市場が形成されるリスクがあります。隠れた前提は「水素の社会実装は時間の問題」という楽観視です。しかし、現実には水素ステーションの稼働率や電解装置の量産化が計画通り進んでおらず、技術と制度の非対称性が拡大しています。次の観測点は、提言を受けて政府が予算化する具体的な実証事業の規模と、その案件に応札する企業の実施工ネルギーです。この構造は、日本企業のGX人材にとって「ビジョンだけでは投資判断ができない」という厳しい現実を突きつけるものです。

水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)は5月28日、高市早苗・内閣総理大臣に対し、政策提言「水素の社会実装と我が国水素産業の持続的成長を目指して」を手渡した。また、官民で連携した取り組みとして、自民党水素社会推進会議連盟にも政策提言を手渡した。 同提言は、水素を燃料として普及させることが、日本のエネルギー安全保障の強化、産業競争力強化・経済安全保障・脱炭素の推進に大きく寄与するとの認識のもと、水素を成長戦略の重要な柱として明確に位置付けることを求めた。国内の産業競争力を取り戻し、海外での市場獲得、水素の普及と水素産業の持続的成長を実現するために、政府に対して(1)CO2削減の難易度が高い分野など、セカンドムーバー(後発優位性)創出、(2)カーボンプライシングを活用した環境価値の創出、(3)海外市場の獲得に向けた国際標準化ーーへの支援を要望した。 合わせて、民間産業界も覚悟を持って開発・事業推進・投資に取り組む方針を示した。「水素大動脈」構想では、成長戦略の柱として運輸部門を起点として、発電・化学・製鉄などの他セクターへと広げて水素の普及につなげていく。トップバッターとなる自動車では、今後10年で30カ所をめどに、商用車の普及に応じた大規模水素ステーションの建設を目指す。 「水素1%調達宣言」では、水素需要拡大に向けてJH2A会員企業が一体となった調達拡大キャンペーンを、経済産業省と共同で推進する。6月4日に開催する社員総会において取り組みの詳細を発表する。また、経済産業省をはじめ、政府と連携した官民一体での水素社会の実現化に向けた取り組みについても発表する予定。 Copyright 2026 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved. このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP、またはその情報提供者に帰属します。 掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

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