制度・政策

原子力の将来構図作り「即着手を」 経団連会長、原発回帰を強調 - T COM(アットティーコム)

2026-06-02
経団連会長が、原子力や再エネを含む脱炭素電源を経済発展の原動力とするGXについて、将来構図の早期策定を訴えた

専門家の視点

経団連会長が原子力回帰を強調する発言は、現実の進捗と期待の間に大きなズレがある構造を示しています。実体としては、原子力発電所の再稼働は規制委員会の審査や地元同意の壁が高く、具体的な新増設の計画は不透明です。一方、物語(説明)では「成長の原動力」や「経済安全保障」というフレーミングで、2050年カーボンニュートラル達成への原子力の必要性を強調していますが、短期的な実行レイヤーや人材・サプライチェーンの整備が示されていません。この状況は「物語先走り」の構造です。特に隠れた前提は「産業界が主導すれば規制や社会受容性はクリアできる」という楽観的な見通しですが、実際には廃炉や使用済み燃料の処理など未解決の実体的課題が山積しています。期待(市場)は政治的後押しに反応して原子力関連企業の株価が上昇するなど先行しやすいですが、長期投資の不確実性は依然高いです。次に見るべき観測点は、経団連の提言が実際の政策や规制法改正にどの程度反映されるか、そして地元自治体の受容性変化です。

@T COM(アットティーコム)トップへ 経団連の筒井義信会長は、2日までに報道各社のインタビューに応じ、東京電力柏崎刈羽原発の営業運転が再開するなど回帰が進む原子力政策について「いずれ世界で極めて大きな規模に拡大していく」との認識を示した。原発再稼働や次世代革新炉、核融合についても「将来の構図作りを即着手しなければいけない」と強調した。 3日の定時総会を経て就任2年目に入るのを前に答えた。核燃料サイクルを巡り、今年度完成予定の青森県六ケ所村の再処理工場についても言及し、「(原子力政策の)不可欠のコマ」だと主張した。 筒井氏は、中東情勢の緊迫化を踏まえ、「(中長期で)脱化石燃料の方向性を定着させていく」と指摘した。原子力や再生可能エネルギーを含む脱炭素電源を経済発展の原動力とするGX(グリーントランスフォーメーション)は産業競争力強化や経済安全保障にもつながるとして「より加速すべきだ」と訴えた。 高市政権については「内政、外交で精力的に取り組んでいる」と評価し、政権の掲げる戦略17分野については、経団連が掲げる「投資けん引型経済への転換」と「軌を一にする」と語った。一方、「今後は重点的・効率的に絞っていく作業が必要だ」と注文を付けた。 政権との距離感については「十分なものであったかは反省すべき点はある」と振り返り、「もう少しフランクな関係作りにより力を入れていきたい」と意気込んだ。【古川宗】 各記事の著作権は、それぞれの情報提供社または株式会社TOKAIコミュニケーションズに帰属します。 Copyright (C) 毎日新聞社 無断転載を禁じます。

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