再エネ・技術

【オセアニア】住友商事、バッテリーリサイクル事業の検討開始。DXでサプライチェーン可視化

2026-06-01
住友商事がオセアニアでバッテリーリサイクル事業の検討を開始し、DXでサプライチェーン可視化を図る

専門家の視点

住友商事が住友金属鉱山、オーストラリアのEnvirostream、ニュージーランドのPhoenix Recyclingと連携してバッテリーリサイクル事業の検討を開始したことは、リチウムイオン電池の廃棄増大という実体に基づく動きです。この構想には、バッテリーのサプライチェーンをデジタル技術で可視化するDX導入が含まれており、資源循環の効率化とトレーサビリティ確保を目指しています。ここでの中心的な構造は、物語先行型のズレです。再生可能エネルギー普及やEV需要拡大を背景に、バッテリーリサイクルの重要性が強調されていますが、現時点では検討開始段階であり、実証実験や商業化の具体的なスケジュール、回収量の見通し、収益性などの実体が十分に示されていません。また、オセアニアという地域に焦点を当てることで、日本国内での回収・リサイクル体制との整合性や、グローバルなサプライチェーン全体における位置づけが曖昧です。隠れた前提として、DXによる可視化が自動的にリサイクル率向上やコスト削減につながるという考えがありますが、実際にはデータ収集・共有の標準化や関係者間の連携協力がなければ効果は限定的です。

住友商事は5月15日、住友金属鉱山、オーストラリアの電池リサイクルEnvirostream Australia、ニュージーランドのバッテリー回収・リサイクルPhoenix Recycling Groupと、使用済みリチウムイオン・バッテリーの回収・リサイクルに関する覚書(MOU)を各社と個別に締結し、オセアニア地域におけるバッテリーリサイクル事業化に向けた検討を開始したと発表した。 世界的な電気自動車(EV)普及の進展及び再生可能エネルギー導入の拡大に伴い、使用済みバッテリーの回収・再資源化の重要性が急速に高まっている。一方、バッテリーに含まれるニッケル、コバルト、リチウム等の重要鉱物は特定地域への依存度が高く、資源確保の観点からもリサイクルによる循環型供給体制の構築が喫緊の課題となっている。 日本では、国内外で使用されたバッテリー原材料を回収・再利用する資源の国内への還流モデルの確立が、重要鉱物の安定的な確保の観点からも重要視されている。また、欧州を中心にバッテリーの原材料やリサイクル率のトレーサビリティを義務付ける規制が進展しており、サプライチェーン全体の可視化とデジタル対応も求められている。 さらに、日豪の政府間でも、重要鉱物のサプライチェーン強化やエネルギー安全保障に関する協力が進展している。オセアニア地域のバッテリーリサイクルは発展途上にあり、今回のアクションは同地域における先駆的な施策となる。 (出所)住友商事 具体的には、オーストラリア及びニュージーランドにおける使用済みバッテリーの回収体制構築、バッテリーの放電・解体・粉砕といった前処理によるブラックマス製造、日本への資源還流及び精錬工程との接続、使用済みバッテリーを再びバッテリーとして活用する水平リサイクルモデルの確立に各社と連携して進める。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)から現場ニーズ等に対する技術支援制度による支援も予定されている。 また、国境をまたぐ横断的なデータ連携・システム連携政策「ウラノス・エコシステム(Ouranos Ecosystem)」の考え方と整合した形で、デジタル・AIを活用したデータ基盤を構築。欧州規制等への対応を含む電池の使用履歴や残存価値のデータ管理や、原材料の由来やリサイクル率の可視化を通じ、ライフサイクル全体をデータでつなぐことで、サプライチェーンの高度化を実現する。 【参照ページ】オセアニアにおける電池リサイクル事業化の検討を開始 ※ 閲覧チケットは翌月への繰り越しはできません。 【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら

本文は配信元の記事から取得した抜粋です。

一次ソース

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る