【開催報告】自動車業界における脱炭素化動向とサプライヤーの対応策 | PwC Japanグループ
PwCが自動車業界のサプライチェーン全体で進むカーボンニュートラルの取り組みとサプライヤーの対応策を解説したセミナー開催を報告
専門家の視点
自動車業界の脱炭素化は、OEMが主導する「物語」と、サプライヤーが直面する「実体」の間に大きなズレが生じています。OEMはスコープ3を含むカーボンニュートラルを宣言し、サプライヤーに対して排出量データの開示や削減目標の設定を要請します。しかし、多くの中小サプライヤーには、その要請に応えるための測定技術や人材、コスト負担の余裕が乏しいという現実があります。つまり、OEMの「物語先走り」に対して、サプライヤーの「実体」が追いついていない状態です。このズレの核心は、削減目標と実行手段の非対称性です。OEMのビジョンは明確ですが、その実行を委ねられたサプライヤーレベルでは、具体的な削減技術の導入やデータ管理体制の構築が進んでいません。記事が暗に前提としている「サプライヤーも当然対応できる」という期待は、現実には通用しにくいものです。PwCのようなコンサルティング企業の役割は、このズレを埋める支援を提供することですが、本質的な課題は、業界全体として共有すべきコスト負担のルールが不在である点にあります。