再エネ・技術

東邦ガスe‐メタン実証施設/東邦ガス技術研究所カーボンニュートラル課長萩野卓朗さん

2026-05-29
東邦ガスが国内初となるe‐メタンを都市ガス原料として活用する実証施設を稼働。バイオガス由来のCO2を利用し、カーボンニュートラル燃料の実用化を推進。

専門家の視点

東邦ガスが国内初のe‐メタン実証を都市ガス原料として開始したという事実は、技術的な実現可能性を示す一歩です。ただし、ここで注目すべきは「実証」が「事業化」を意味しないという点です。この実証施設が扱うバイオガス由来のCO2は限定的であり、供給量とコストの両面でスケールメリットを得るには、他の排出源からのCO2調達や、メタネーションの効率向上が不可欠です。現在の技術水準では、生成したe‐メタンの価格は天然ガスの数倍になる可能性が高く、経済合理性を欠く状態です。つまり、実体(技術的実証)は進んでいるが、物語(コスト競争力のある脱炭素燃料への道筋)が追いついていない「物語欠落」の構造です。実際の市場では、カーボンクレジットや補助金なしには導入が進まず、投資家や自治体は「タイミング」を見極めようとしています。この分野の成否は、水電解など周辺技術のコスト低減と、国によるe‐メタン普及のための制度設計(例えば、都市ガスへの混入義務化)に依存します。次の観測点は、2025年度以降の実証結果と、それを受けた政府の支援策の具体化です。

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