企業動向

EV推進に高炉削減…脱炭素政策の“合わせ技”が招いた「鉄スクラップ危機」 自動車産業に ...

2026-05-28
脱炭素政策による電炉化推進で鉄スクラップ需給が逼迫し、自動車産業などサプライチェーン全体に価格高騰や調達難の影響が広がっている

専門家の視点

脱炭素政策の「合わせ技」として語られる高炉の電炉化は、CO2削減という目的を達成しようとした結果、鉄スクラップ需給の逼迫と価格高騰という新たな矛盾を露呈させています。ここでは「目的と手段の倒置」が典型的に見られます。本来は環境負荷低減が主目的であるべきところ、電炉への転換そのものがKPI化し、副原料であるスクラップ市場の現実が軽視されています。また記事は「EV一択は危うい」という明確な物語(Narrative)で構成され、高市総理から「モノづくりを応援してくれ」と請われた内閣官房参与の発言を軸に、政府の脱炭素一辺倒を批判するフレームを強めています。しかし、鉄スクラップの需要構造の全体像や、自動車産業以外のスクラップ利用者(建設、鉄道など)への影響は省略され、「町工場」という利害関係者に焦点が絞られています。脱炭素と産業競争力の両立には、一政策の副作用を見据えた「複雑系の調整力」が不可欠であり、GX人材には技術選択と市場実態の間を批判的に架橋する視点が求められます。

脱炭素政策が加速する中、製鉄所の電炉化が国内で相次いでいる。CO2削減が大きな目的だが、主原料となる鉄スクラップの需給逼迫や価格高騰が起き、自動車部品を支える町工場に打撃を与える恐れも出てきた。この変化は日本のモノづくりに何をもたらすのか。自動車経済評論家の池田直渡氏、モータージャーナリストの岡崎五朗氏、JBpress autograph編集長・鈴木文彦の動画番組「JAPAN INNOVATION CHANNEL(イノチャン)みんなが言わない自動車NEWS」。今回は内閣官房参与の加藤康子氏を迎え、脱炭素政策と日本の製造業が抱える課題について議論した。 鈴木文彦 加藤さんは企業城下町の研究がライフワークとのことですが、具体的にはどのような活動をされてきたのでしょうか。 加藤康子氏(以下敬称略) 工場や産業の遺産、産業史に関心があり、国内外の企業城下町を歩き続けてケーススタディーを書いてきました。ハーバード大学ケネディスクールでは都市経済学を学び、帰国後は「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に16年をかけて取り組みました。 自動車産業との関わりが生まれたのは、菅(義偉)内閣のカーボンニュートラル宣言がきっかけです。全てのクルマがEVになってしまえば、私の愛する町工場が消えてしまうのではないかという危機感を抱いていたころに、池田さん、岡崎さんと知り合い、2021年には3人の共著『EV推進の罠 「脱炭素」政策の嘘』(ワニブックス)を出版しました。 岡崎五朗氏(以下敬称略) あの本で私たちが訴えたのは、「EV一択は危うい」「もっと現実的に考えるべき」ということでした。実際、世界はすでにマルチパスウェイ※へと向かっています。ただ、日本にはまだ問題が残っている。今日はまさにその問題についてお話ししたいと思っています。 ※各市場のニーズに応じてEV・HEV・PHEV・FCEVなど複数の動力源を並行展開する考え方 鈴木 加藤さんは2025年12月に内閣官房参与に就任しましたが、どのような経緯だったのですか。 加藤 高市(早苗)総理から「日本のモノづくりを応援してくれ」との言葉と共に拝命しました。私はそれまで政府の政策に反論する立場でしたので、「大丈夫かな」という戸惑いもありました。ただ、高市総理の総理就任前の著書に「脱炭素一辺倒では日本の製造業が立ち行かなくなる」という持論を書かせていただいた経緯もあり、引き受けることを決意しました。 岡崎 加藤さんがすごいのは、「こういう問題があるな」と気付いたことをそのままにせず、次に会う時までに具体的な形にしてしまうところです。今日取り上げる「ミカタプロジェクト」の見直しもその一つです。 鈴木 ミカタプロジェクトとはどういうものでしょうか。 自動車経済評論家。1965年生まれ。ネコ・パブリッシング退社後、2006年よりビジネスニュースサイトの編集長に就任。2008年に「グラニテ」を設立。クルマの開発思想や社会情勢との結びつきに着目した執筆活動を行う。著書に『スピリット・オブ・ザ・ロードスター』(プレジデント社刊)、『EV(電気自動車)推進の罠「脱炭素」政策の嘘』(ワニブックス刊)、『EV手のひら返しと日本の勝ち筋』(グラニテ刊)がある。 自動車経済評論家。1965年生まれ。ネコ・パブリッシング退社後、2006年よりビジネスニュースサイトの編集長に就任。2008年に「グラニテ」を設立。クルマの開発思想や社会情勢との結びつきに着目した執筆活動を行う。著書に『スピリット・オブ・ザ・ロードスター』(プレジデント社刊)、『EV(電気自動車)推進の罠「脱炭素」政策の嘘』(ワニブックス刊)、『EV手のひら返しと日本の勝ち筋』(グラニテ刊)がある。 モータージャーナリスト。1966年東京都生まれ。1989年青山学院大学理工学部機械工学科卒。1989年モータージャーナリスト活動開始。2008年よりテレビ神奈川の自動車番組「クルマでいこう」メインMC。2009年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。2009年より日本自動車ジャーナリスト協会理事。2009年よりワールド・カー・アワード選考委員。 モータージャーナリスト。1966年東京都生まれ。1989年青山学院大学理工学部機械工学科卒。1989年モータージャーナリスト活動開始。2008年よりテレビ神奈川の自動車番組「クルマでいこう」メインMC。2009年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。2009年より日本自動車ジャーナリスト協会理事。2009年よりワールド・カー・アワード選考委員。 内閣官房参与、産業遺産情報センター センター長、一般財団法人産業遺産国民会議 専務理事、国家基本問題研究所 理事など。ハーバードケネディスクール大学院都市経済学修士課程(MCRP)を修

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