再エネ利用の「時間単位証書」、JREA Crossが実証 - ニュース - メガソーラービジネス plus
専門家の視点
実体は、太陽光発電の余剰電力を時間単位で証書化する実証実験が始まったという事実です。従来の非化石証書は年間や月単位のマッチングが一般的でしたが、この実証は1時間単位での再エネ価値を証明する技術と制度の試行です。技術的にはブロックチェーンを用いたトラッキングが前提となり、物理制約として需給の同時同量が厳格に求められます。 物語は、EnergyTagが提唱する「24/7カーボンフリーエネルギー」の理念に沿ったもので、再エネの価値を時間単位で証明することで、企業の脱炭素目標の精緻化を可能にするとしています。しかし、この物語が暗に前提としているのは、時間単位の証書が市場で広く受け入れられ、需要家が追加コストを負担するという期待です。実証段階では、発電側と需要側のマッチングの実効性、他の証書制度との二重カウント防止、そしてデータの信頼性担保といった実務面での検証がKPIとなるはずですが、記事からは具体的なKPIや失敗時の扱いは見えません。 期待先行の構造が懸念されます。
JERA Cross(ジェラクロス、東京都中央区)は5月26日、Google Cloud(グーグルクラウド)のデータセンターに提供する太陽光発電由来の非化石証書と発電・需要データを活用し、時間単位での再生可能エネルギーの利用を証明する時間単位証書(GC=Granular Certificate・グラニュラーサーティフィケイト)を生成する実証を実施したと発表した。 温室効果ガス(GHG)プロトコルのスコープ2ガイダンス改訂案では、電力の環境価値に関して時間単位での一致(アワリーマッチング)や供給可能性(Deliverability)などの概念の導入が検討されている。これに対応する手法のひとつとして、国際非営利団体EnergyTag(エナジータグ)が提唱する時間単位証書の枠組み「GC発行スキーム基準書(Granular Certificate Scheme Standard)」が国際的に検討・実証されており、現在各国で取り組みが進められている。 GC発行スキーム基準書は、再エネ電力の環境価値を1時間単位の粒度で証明・管理するための国際的な標準仕様書になる。発電された電力の環境価値を、発電時刻・発電場所・電源種別などの属性とともに1時間単位でトラッキングし、需要側の消費電力と時間的・地理的に対応付けることが求められる。 今回の実証は、日本における基盤整備の一環として実施した。JERA Crossが提供する太陽光発電所の非化石証書、時間ごとの発電量および需要量データを用いて、仏Granular Energy(グラニューラーエナジー)とスペインFlexidao(フレクシダオ)がアワリーマッチングを実施し、需要と発電の対応関係を時間単位で可視化した時間単位証書を生成した。これにより、需要家の電力使用と再エネ電力の時間的整合性を検証することが可能になる。 Granular EnergyとFlexidaoは、EnergyTagのGC発行スキームの下で認定された組織であり、いずれも時間単位のエネルギートラッキングにおける完全性・正確性・透明性に関する基準を満たしている。JERA Crossは、2024年6月にFlexidaoと戦略的パートナーシップを締結、同年10月にGranular Energyへ出資し、各社が保有する時間単位の再エネデータ管理技術を試験導入している。 なお、今回の取り組みは、非化石証書制度とは別に、EnergyTagが推進する24/7カーボンフリー電力の国際標準EnergyTag Standard((エナジータグ基準書)に基づくトラッキング手法を用いて時間単位での対応関係を示すものになる。現行の非化石証書における証書の性質や制度自体を変更するものではないと説明している。 Copyright 2026 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved. このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP、またはその情報提供者に帰属します。 掲載している情報は、記事執筆時点のものです。
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