企業動向

営業車両に次世代バイオ燃料を導入、JR九州が実証 | スマートグリッドフォーラム

2026-05-27
JR九州が営業車両に次世代バイオ燃料(HVO)を導入する実証を開始。

専門家の視点

JR九州の次世代バイオ燃料実証は、既存設備を改修せずに軽油を代替できる「ドロップイン燃料」という特性が強調されており、導入障壁の低さが物語の中心です。しかし、使用する燃料は軽油に最大40%混合したものであり、温室効果ガス削減効果は混合比率に限定される点が実体です。また、実証期間は約2年間で対象線区も限定的であり、規模と効果のギャップが存在します。「環境ビジョン2050」という長期目標が掲げられていますが、今回の実証は将来の本格導入に向けた手段であり、その成果が事業全体の排出量削減にどれほど寄与するかは現時点では不明瞭です。燃料供給元の伊藤忠エネクスや廃食用油調達のサプライチェーンといった利害関係者の具体的な利益構造や、バイオ燃料の原料確保が他産業と競合する可能性については記事内で触れられていません。日本企業やGX人材は、このような実証段階の事例が持つ限界を正確に評価し、技術の実装可能性とサプライチェーン全体の持続可能性を同時に吟味する視点が求められます。

インプレスSmartGridニューズレター編集部 2026年5月27日 (水曜) 17:04 九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)は、廃食用油や植物油を原料とする次世代バイオ燃料を営業列車に導入する実証試験を開始した(図1)。地球温暖化の原因となる温室効果ガス(GHG)の排出量削減を目指し、軽油に代わる燃料としての実用性を検証する。2026年5月22日に発表した。 図1 次世代バイオ燃料を用いた実証試験の対象車両であるYC1系のイメージ 出所 九州旅客鉄道株式会社 ニュースリリース 2026年5月22日、「次世代バイオ燃料の導入に向けた実証試験開始」 実証で使用する「HVO注1」は、廃食用油や植物油を原料とし、水素処理によって精製した再生可能なディーゼル燃料。従来の軽油とほぼ同等の化学構造を持つため、エンジンの改造や燃料タンクなどの設備を改修せずに使用できる「ドロップイン燃料注2」である。 燃料には、伊藤忠エネクス株式会社が製造・供給する「FINE DIESEL」を採用した。同燃料は、軽油に対して最大40パーセントの割合でリニューアブルディーゼル注3を混合したものである。 車両はYC1系を使用し、3両編成のうち1両に対して定期的にHVOを給油する。営業運転における運用データの収集を行う。なお、対象となる試験車両には、車内および車外に専用のステッカーを掲示する。 対象とする走行線区は、長崎本線の江北駅から長崎駅間(旧線を含む)、佐世保線の江北駅から佐世保駅間、大村線の早岐駅から諫早駅間。実証試験の期間は2026年5月27日から2028年3月までを予定している。 JR九州グループは、「JR九州グループ環境ビジョン2050」を掲げ、その取り組みの一環として、鉄道車両におけるGHG排出量を削減するため、HVOの導入を検討してきた。構内での試運転など必要な検証が完了したため、今回、実際の営業列車を用いた本格的な実証試験に移行する。 注1:HVO:Hydrotreated Vegetable Oil。廃食用油や植物油を原料とし、加水素分解および脱酸素といった水素処理によって精製された次世代の再生可能ディーゼル燃料。注2:ドロップイン燃料:既存のエンジンや燃料タンクといった設備を改修・変更することなく、従来の化石燃料の代替としてそのまま利用できる燃料のこと。注3:リニューアブルディーゼル:動植物油等の再生可能資源を原料として製造される、従来の軽油を代替する燃料。 九州旅客鉄道株式会社 ニュースリリース 2026年5月22日、「次世代バイオ燃料の導入に向けた実証試験開始」 国内初となるカルコパイライト太陽電池の壁面設置、東急不動産が植物工場で実証 スタートした特定計量制度! ガイドラインに見る「対象となる計量例」と「対象とならない計量例」 タンデム型ペロブスカイト量産へ、政府が2社に94億円支援 PoEによる直流給電:IEEE 802.3af/802.3atからUPOEまで NGNの核となるIMS(2):IMSのアーキテクチャ、インタフェースとプロトコル 電力自由化時代の「調整力」「同時同量」とは? インプレスSmartGridニューズレター編集... 国内初となるカルコパイライト太陽電池の壁面設置、東急不動産が植物工場で実証 インプレスSmartGridニューズレター編集... 再エネシステムへのサイバー攻撃の影響を可視化、パナソニックHDと独研究機関がデータセットを公開 インプレスSmartGridニューズレター編集... 電力のみでCO2を蓄電池材料に直接変換、コスモ石油らが実証開始 インプレスSmartGridニューズレター編集... EVを蓄電池として活用し電気代を節約するV2H充放電器、ホンダアクセスが発売 インプレスSmartGridニューズレター編集... 九電が法人向けDR開始、蓄電池制御でコスト削減・収益創出 インプレスSmartGridニューズレター編集... 航空機の静脈産業を構築へ、NEDOが新事業 インプレスSmartGridニューズレター編集... 高品質なカーボンクレジット確保へ、大阪ガスが国際枠組み参画 インプレスSmartGridニューズレター編集... 使用済みアルミの水平リサイクルで新地金とCO2排出を削減、旭化成ホームズとLIXILが協業 インプレスSmartGridニューズレター編集... 積水・パナらペロブスカイトメーカー5社が新団体、規格策定やサプライチェーン構築で連携 インプレスSmartGridニューズレター編集... 溶解炉1台が排出するCO2全量を分離・回収、アイシンが実証 インプレスSmartGridニューズレター編集... SX銘柄に日立など15社選定、注目企業にキオクシアなど2社

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