企業動向

BASF、変革プログラム「コアシフト」始動…2029年までにコスト2割削減へ

2026-05-27
独BASFが2029年までにコスト2割削減を目指す変革プログラム「コアシフト」を始動、顧客のグリーントランスフォーメーション実現を担うと表明。

専門家の視点

BASFの「コアシフト」は、2029年までにコスト2割削減を掲げた大規模な変革ですが、実質的な中身は「コア・トランスフォーメーション・オフィス」の設置と指揮系統の明確化にとどまっています。コスト削減の具体的な手段(人員削減なのか生産効率化なのか)や、削減額を成長投資に回すのか株主還元に充てるのかが明記されておらず、目的(競争力強化)と手段(コスト削減)が倒置している可能性があります。また、記事は「スタンドアロン事業の切り離し完了」を成果として語る一方、切り離しによって生じた雇用や地域経済への影響といった利害関係者には触れておらず、物語のフレーミングが経営陣の視点に偏っています。投資家や市場はコスト削減のスピードと利益率向上を期待する一方で、化学業界の脱炭素投資との整合性(Scope1・2排出削減予算がコスト削減で圧縮されるリスク)は議論されていません。日本企業やGX人材は、BASFのようなグローバル大手がコスト削減を成長の文脈で語る際に、その裏で削られる可能性がある研究開発や脱炭素投資の予算配分を注視し、自社の経営計画との差異を定量的に検証すべきです。

世界最大の総合化学メーカーBASFは、コア事業の強化・成長を目的とした変革プログラム「コアシフト(CoreShift)」を始動した。 同社は「ウィニング・ウェイズ(Winning Ways)」戦略の次フェーズとして、スタンドアロン事業の切り離しをほぼ完了した後、コア事業の競争力強化に注力する方針を明らかにした。 この取り組みを推進するため、新たに「コア・トランスフォーメーション・オフィス(Core Transformation Office)」を設立。プレジデントのジュリア・ラケット氏(50歳)が率い、全コア事業・サービス部門・コーポレートセンター部門にまたがる横断的な変革プロジェクトの実施を主導する。ラケット氏はBASF SEの取締役会会長であるマルクス・カミース博士に直接報告する体制をとる。

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