再エネ・技術

「SAF」 航空業界の脱炭素化に向けた「切り札」、普及に向けて安定供給体制の構築を

2026-05-26
航空業界の脱炭素化に不可欠なSAF(持続可能な航空燃料)について、普及に向けた安定供給体制の構築が求められている

専門家の視点

SAFのCO2削減効果は6〜8割と明確ですが、そもそも現時点での供給量が世界のジェット燃料需要の1%未満であるという実体があります。この数値目標と供給実態の間に大きなギャップがあり、物語が先行している構造です。 記事は「切り札」という強いフレーミングを使っていますが、原料である使用済み食用油の国際的な調達競争が激化しており、日本国内での原料確保は限界に近いという物理制約が無視されています。また、SAF製造にかかるコストは石油由来燃料の3〜5倍とされており、この経済合理性のハードルについての説明が不足しています。 時間軸で見ると、航空業界の脱炭素化は2050年ネットゼロを目標としていますが、SAFの大量生産技術が商用化されるのは早くても2030年代後半と想定されます。その間、機体の燃費改善や運航効率化といった実体ベースの対策が本命であるにもかかわらず、SAFへの期待だけが先行しています。 隠れた前提として「SAFさえ普及すれば航空脱炭素が達成できる」という考えがありますが、実際にはSAFだけでは足りず、水素航空機や電動航空機といった技術革新も並行して必要です。

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