インドネシア工業省と同国のセラミック・ガラスセクターの脱炭素ロードマップ策定に関する協力 ...
環境省がインドネシアのセラミック・ガラスセクターと二国間クレジット制度(JCM)を活用した脱炭素ロードマップ策定で協力することで合意した。
専門家の視点
インドネシアのセラミック・ガラスセクターは、高温焼成が必要なため、現在のところ化石燃料からの代替が技術的に難しく、CO2排出削減の実体が極めて限定的です。この協力意向表明書は、JCMを活用したプロジェクト形成を促進するという物語を掲げていますが、肝心の「どの技術で、どの工場で、いつまでにどれだけ削減するか」という実行レイヤーが欠落しています。 ここには「物語先走り」の構造があります。二国間クレジット制度の枠組みは整いつつありますが、実証段階の技術を大規模な産業セクターに展開するには、少なくとも5〜10年の時間軸が必要です。また、インドネシア政府と日本企業の間で、ロードマップの検証指標(KPI)や失敗した場合の扱いが明確にされていません。 隠れた前提は「協力意向表明書に署名すれば実際の削減が進む」という点です。しかし、このセクターの脱炭素には、実証炉の建設、現地人材の育成、補助金の持続可能性といった、はるかに重い制度的実体が伴います。現在の期待は、実体よりも数歩先を走っていると言わざるを得ません。 次の観測点は、この協力が具体的な技術実証とKPI設定にいつ落とし込まれるかです。