再エネ・技術

赤坂のビル群、熱源にグリーン水素 吸蔵合金で週1輸送 - 日経GX

2026-05-25
赤坂熱供給が水素混焼ボイラーを導入し、週1回の水素輸送でビル群に熱供給する実証を開始した事例

専門家の視点

赤坂熱供給が導入した水素混焼ボイラーは、グリーン水素を吸蔵合金に貯蔵し週1回輸送する方式です。この方式の実体は、水素を液化せず安全に運べる点と、既存の都市ガスインフラとの親和性です。しかし物語では「カーボンフリーな熱供給の先行事例」として美しく語られる一方、実体には供給源の確保や輸送コスト、吸蔵合金の耐久性といったスケール化の壁が潜んでいます。ここに物語先走りの構造があります。 次の観測点は、週1回という輸送頻度が示すエネルギー密度の限界です。この頻度で供給可能な建物群は、需要が安定し高密度な都心の業務エリアに限られます。つまりこのモデルは、普及型ではなく「高付加価値ゾーン専用ソリューション」として成立しているのです。実行レイヤーを拡大するには、輸送回数の増加と供給拠点の最適配置という、地味だが重要な社会実装設計が不可欠です。 最後に、この記事の隠れた前提を問い直します。それは「水素が唯一の脱炭素熱源である」という前提ですが、実際には地域熱供給網では再生可能エネルギー由来の電力で駆動するヒートポンプとの比較競争が始まっています。

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