制度・政策

EU・ブラジル・中国、炭素市場の透明性強化へ新連合を発足 - ESG Journal

ESG Journal 2026-05-19
EU、ブラジル、中国が炭素市場の透明性を強化する新たな連合を発足させた。

専門家の視点

EU・ブラジル・中国という排出量・制度規模の異なる三極が炭素市場の透明性強化で連合を組む動きは、実体と物語の間に明確なズレがあります。実体面では、EUは排出量取引制度が10年以上稼働し価格形成と削減実績に実績がある一方、ブラジルと中国は自主的炭素市場や国内制度の整備途上であり、市場の質も監視体制も非対称です。物語は「透明性の国際標準化」を掲げますが、そこで言う透明性が何を指すのか(取引価格・排出量の検証・プロジェクトの追加性判定のいずれか)が不明瞭であり、特に中国の国家炭素市場が電力セクターのみを対象とする制約や、ブラジルが森林由来クレジットの環境保全性をどう担保するかといった実体が翻訳されていません。期待は、この連合を「ルール形成の主導権争い」と捉える市場関係者の反応が先行しやすく、実際の制度調和や執行力の乏しさが見過ごされるリスクがあります。中心の構造は「物語先走り」です。主要排出国が連合するというアナウンス効果が先行し、参加国間の制度成熟度や検証能力の格差という実体が後回しになっています。

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