再エネ・技術

「水素発電」が初採択、長期脱炭素オークションで - 日経BP

日経BP 2026-05-22
長期脱炭素オークションで水素発電が初めて採択されたことを報じている

専門家の視点

長期脱炭素オークションで水素発電が初めて採択されたという事実は、電力市場に水素が「実体」として入り始めたことを示す一里塚です。しかし、ここで注目すべきは採択件数とその発電容量です。大量の水素を安定供給できるサプライチェーンがまだ未整備であるという物理制約が、現時点での実体です。水素発電のコストは現行の火力発電と比較して著しく高く、経済合理性の面でも課題が山積しています。 物語としては、政府が「水素社会」への移行を掲げ、オークション制度という市場メカニズムを活用して需要を創出する戦略は明確です。しかし、この物語には「誰がどのタイミングで水素を供給するのか」という実行レイヤーが抜け落ちています。生産拠点から発電所までの供給網、貯蔵・輸送のインフラ整備計画が示されなければ、期待だけが先行するリスクが高まります。 この構造は典型的な「期待先行」の様相を帯びています。投資家や事業者は制度の後押しに反応して動き始めましたが、実体が伴わなければバブル的な熱狂に終わる可能性があります。次の観測点は、採択された事業者が実際にFEED(基本設計)を完了し、最終投資判断に至るまでのスピードです。

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